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この人に聞きたい:第218回
(週刊冷食タイムス:09/11/24号)

世界の小売は大変化

株式会社菱食 代表取締役社長  中野勘治氏

 

自己主張あるストアブランドの時代へ
卸とメーカーも次代に備えよ

 流通、外食、食品、どの産業をみても価格競争に奔走する姿が目に付く。メーカーと流通業界を結ぶ役割を担う卸、菱食の中野勘治社長に次代に向けた動きを聞いた。中野氏は世界の変化を挙げながら、「メーカーも卸も次代に備えた準備が必要だ」と主張する。

 菱食の中野勘治社長は近年の低価格志向について「量販店もデパートもPB商品一辺倒で低価格路線を進んでいるが、隣の店の安売りを見て同じことをやっていても駄目。そこに(次代の)答え探しはない」と断言する。また、メーカーが多用する「今は安いモノしか売れない」という発言に対し「自分たちの言い訳に過ぎない」と斬って捨てる。
 今年6月以降、米国、欧州、インドを視察してきた中野社長、「世界が大きく変化していることを肌で感じてきた」という。イタリア、ドイツ、スイスでは「地産地消を実践。なおかつ小売店は自分たちが売る商品に誇りを持っている」と語り、「米国では、ニューヨークの高級スーパーが、惣菜・デリカの大量販売を止めたウォルマートに注目するようになった」という。
 また近年の消費トレンド「シンプルライフ」について触れ、「単に安いモノで済ませる訳ではなく、ひとつ『こだわり』がある。今の消費者は情報をたくさん持っており、これを嗅ぎ分けた提案でなければそっぽを向かれるだけ」と分析。さらに、「PB(プライベートブランド)商品の次には、必ずSB(ストアブランド)がくる。でなければ、商品の差別化ができないからだ」と主張する。
 PBとSBの違いは「うちは違う、という自己主張だ」と説明。「もはやPB商品ですら、消費者の選択が始まっている。中間流通とメーカーは、次のステージに向けた準備ができているか、検証すべきだ」という。こうしたパラダイムシフトを政権交代になぞらえて、「生活者にベクトルを合わせているか否かがポイントになる」と語る。
 中野社長は「自分自身に対して『再び菱食に革新せよ』と課している」と話す。08年3月社長に就任して以来、新しい行動規範を作り上げてきた中野社長、「アンチテーゼは旧菱食だ」と言い切る。

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