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この人に聞きたい:第223回
(週刊冷食タイムス:10/01/12号)

トップの新年挨拶 変化への対応訴える

(株)ニチレイ 社長  村井利彰氏

 

現中計は不本意
達成への実行力重視

 2010年の始まりに当たり、大手メーカートップはそれぞれグループ社員に年頭コメントを発信した。各トップは長引く消費低迷と低価格、デフレ、2番底に共通して強い懸念を示すとともに、原料価格の安定、円高傾向にも触れながらも、環境問題、会計基準変更などへの対応の必要性を指摘している。この中でニチレイの村井利彰社長は現中計で「反省すべき点も多々ある」グループ会社の存在を指摘し「環境変化への対応が遅れている」と論評。「外部もそう評価している」と強い論調でコメントしているのが注目される。

 ニチレイの村井利彰社長は年頭挨拶を5日、グループ社員に向けて発信した。
 この中で3月に迎える現中計について「概ね軌道に近いところで落ち着きそうな会社」と「逆風の中で健闘したが、数値目標面では反省すべき点も多々ある会社」があり「不本意な結果に終わる見込み」と不満を示し、好調な競合企業に比べ「当社は環境変化に対応が遅れている。外部も同様の評価をしている」と論評。
 新年度から始まる新中計を含め「計画達成に向けた実行力をいかに発揮するかが大事」と求めている。
 主な主張は次の通り。
 食品業界は厳しい販売競争とローコスト化対応に追われている。一方、巣ごもり消費や自炊を楽しむ商品・食材の宅配など新たな事業機会も芽生えており、好調な会社もある。
 保守的と言われてきた業界でも国内市場の縮小を見据えた企業再編が相次いでいる。キリンHDとサントリーHDの経営統合は『内需産業の食品でも従来の常識や物の見方や捉え方がもはや通用しない、グローバルな視野が必要な時代の到来』を象徴する動き。
 ニチレイグループは本年3月に現中期経営計画のゴールを迎える。『概ね軌道に近いところ』と『逆風の中で健闘したが、数値目標面では反省すべき点も多々ある会社』があり、不本意な結果に終わる見込み。
 同じ外部環境のもとで業績を上方修正する競合企業もあり、当社グループは環境変化への対応が遅れていると言わざるを得ず、外部も同様の評価をしている。
 今年実行をお願いしたいことは次の3点。
 (1)『お客様本位』。常にお客様に向き合うことで選ばれる商品やサービスを提供する。選ばれ続けるための『独自能力』を磨き、『新たな価値』を生み出すこと。工場や設備などハード面を有効利用しアイデアやスキル・ノウハウなど『知恵』を活用し続けること。
 (2)『仕事の生産性』を高める。過去の成功体験を一度捨ててみる。役割が終わった業務や報告書作成、結論の出ない長時間の会議など『付加価値を生まない業務』は徹底排除。『ほうれんそう』の情報共有が不可欠。
 (3)『働きがいのある職場』をつくる。事故がなく安全、コミュニケーション、挨拶励行、商品やサービスが品質・価格両面で評価され、結果として組織目標を達成、個人の賞与や昇給に公正な評価がなされる。
 新中計は3月のグループコミットメント会議で示達する。大事なのは実行力。

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