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この人に聞きたい:第225回
(週刊冷食タイムス:10/01/26号)

夢売るホテル商品は安定需要

(株)インペリアル・キッチン 代表取締役社長  遠山昌利 氏

(とおやま・まさとし)昭和45年日本冷蔵入社。海外駐在等を経て常務加工食品Cプレジデントから同社に転じた。早大政経卒、昭和22年3月福岡生まれ、62歳。

冷食は磨き直して出直す

 消費不振に低価格化が重なり「高いものは売れない」厳しい市況。低価格とは正反対の事業姿勢を掲げるインペリアル・キッチンはこの逆風にどう立ち向かい、どう乗り切ろうとしているのか、遠山社長に聞いた。

 ――価格が下がっていずこも苦しみぬいているが。
 遠山 厳しそうだね。安くしなければ売れないし、下げても数は出ない。たくさん売ろうとするところは苦しいはずだ。

 ――インペリアル・キッチンは質も値も高いので「数」が出ない。
 遠山 「帝国ホテル」の看板を初めから掲げた事業展開であり、コモディティ商品とは違います。当社の商品を「高い」と思う人は低価格であろうが好景気であろうがはじめから相手にしてくれないんです。その点で、不況だ、価格低下だという動きとは別に、販売面では比較的安定しています。

 ――このご時勢でも安定?
 遠山 安い「帝国ホテル」商品ではお客様ががっかりするでしょう。結局「帝国ホテル」という“夢”を買っていただいているんだと受け止めています。当社は昭和47年(1972年)の設立ですが、すでに3世代目のお客様が生まれています。祖父、母親の時代から当社品をご愛顧いただいているわけです。しかし、価格がこのご時勢で当社にまったく影響ないわけではありません、さすがに。

 ――値下げの圧力?
 遠山 逆に主力のマーガリンで創立以来初めて値上げしたところ、さすがに昨年は数量が一時減りました。生活防衛のため、安い他社品に需要が流れたんでしょうね。しかし、それも思ったほどの売上げ減にはならなかった。

 ――価格アップ分相殺した?
 遠山 というより、お客様が戻ってきた。「高くなったので他社品に切り換えたが、やっぱり帝国ホテルの方がおいしい」という手紙もいただきました。おいしさと価値を理解するお客様が世代を越えて続いていることはありがたい。

 ――部門別の現状は?
 遠山 スープ、カレーなどの缶詰、レトルトも値上げしたが、それほどの落ち込みはない。マーガリンは需要が戻りつつあり堅調。しかし冷凍食品が厳しい。

 ――帝国ホテルでも厳しい?
 遠山 価値より価格の問題。実は冷凍食品も価格を長年変えずにきたが、事業構造を一新させるため価格を一気に引き上げたところ、さすがに通らず、取扱店も取り扱い点数も大きく落ちました。値上げ幅があまりに大きかったため販売店に提示すると「ウッ!」と絶句されました。並べて売れないのは問題だが、その前だったのでむしろすっきり。この間、商品に磨きをかけています。お客様がわざわざ扱い店を探し、車を飛ばして買っていただいている商品。その期待に応えなければと。

 ――冷凍食品、どうする?
 遠山 仕切り直して売場づくりを始めます。安物だけが売場に並んでたら面白くないでしょう。また、横文字以外の初の商品「おかゆ」(レトルト)も始めました。これで新しい層を広げます。

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