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この人に聞きたい:第236回
(週刊冷食タイムス:10/04/13号)

300周年に向け“質”追求

国分株式会社 代表取締役会長兼社長  國分勘兵衛氏

 

「量の拡大も諦めない」

 国分の國分勘兵衛会長兼社長は6日の方針説明会で次の様に報告した。
 今年は創業300周年に向けた第8次長期経営計画「Advance300」の最終年であり、非常に重要な1年。
 前期のグループ連結会社は48社、持分法適用子会社は50社から統廃合で11社に減った。連結売上げは1兆4273億円で前年比3%減、442億円の減収となった。経常利益は135億円で過去最高益。純利益は66億9200万円で微増。
 食品が0.9%増7103億円に対し、酒類は7%減の6337億円。その他831億円。酒類の構成比が下がり、食品が上がった。
 「量から質への転換」を図った年だから、量をないがしろにしたわけではないが、442億円の減収は非常に残念。取引先の期待に応えられず申し訳ない。
 この要因は、全体のマーケットの縮小に消費低迷、需要減退、単価ダウンなどが加わり、一部で帳合変更や不良債権の発生で取り引きをやめたこともある。
 商品ではビアテイストが驚くべきことに4百数十億円も大きく減少した。
 一方で増益は「国分マネジメントシステム」の導入で収益管理を徹底したことに加え、効率化、無駄排除、物流改善、一般管理費削減などが効果を表した。取引条件の改善も奏功した。
 オリジナルのK&Kブランドや開発商品、留め型商品など高収益商品が大きく拡大している。連結子会社の中で赤字会社の収益改善も進んだ。質を追求した効果は相当表れた。しかし減収となったことは残念。
 長期経営計画に基づき地域密着NO.1卸を実現するためグループの統廃合を進め、シュレン国分(北海道)、山陰国分(島根)、熊本国分リカー、関西国分などが誕生。物流等では関西低温センターなどを新設。デリシャス・クックは戸田に新工場を建設した。農業ベンチャーのナチュラルアートとは業務提携した。東京日本橋にはテストキッチン兼プレゼンルームを開設した。
 中国ではサントリーとワイン事業で共同出資した。山東省の物流会社とは合弁会社を設立したばかり。

流通再編に慎重かつ柔軟に対処

 社会が進歩する、あるいは女性の識字率が高まると人口は減少するといわれるが、日本は少子化が進んでいる。社会は成熟し飽和状態にある。これに伴う様々な変化が進む。流通の変化、再編も進むと見られる。
 これに対し国分は最適流通機能を発揮し、量の拡大をあきらめず、しかも質の充実に優先して取り組む。質とは商売の内容に限らず会社の体質、信用力、資金力、人材、経営力、環境対応力、流通機能などあらゆる面で求められる。
 新政権は92兆円の予算に対し37兆円の税収計画でスタートしたが、不足分は国債で補うという。これが景気にどう影響し、また国際的にどう評価されるのか。
 福沢諭吉は「愚民の上に苛き政府ありとはこの事なり。こは政府の苛きにあらず、愚民の自から招く災なり」と厳しく指摘しているが、一考の余地あり。愚民にならないようにしたい。
 国分は今年創業298年で長期経営計画の“ザ・ファイナル”と題して社是である「信用」と行動憲章の「平成の帳目」をグループ不変の哲学とし、社会的使命を果たすべく取り組む。多数の関係者のご支援ご協力をお願いしたい。

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