この人に聞きたい:第267回
(週刊冷食タイムス:10/11/23号)
中国は業務用の市場性大
日冷食品貿易(上海) 総経理(社長) 周 宏峰 氏
(Zhou Hong Feng)合弁相手だった呉経冷蔵から上海日冷に転じ21年。販売部総監から5月の改組で日冷食品貿易に異動、営業のトップに。62年上海生まれ、MBA、48歳。
日式「餃子」は絶対売れる
重要案件の1つに中国市場拡大を掲げるニチレイフーズ。販売管理会社を立ち上げ、個別展開していた製造会社「上海日冷」の市販用冷食の営業部門も販社「日冷食品貿易」に統合。現地採用の周氏が社長に抜擢された。
――中国で冷凍食品を売りたいのが各社共通課題。しかしうまくいかない。現地の事情は土地の人間が一番知っている。しかも周さんはこれまで日冷の冷食を売ってきた。
周 どうすればもっと拡大できるか、私なりに考えています。これまで(上海日冷で)扱ってきた市販用冷食のほかに、日冷食品貿易としては業務用冷食も大きな位置づけ。ただ「売れ!」と指示しても難しい。マーケティング戦略をきちんと構築することが大事だと考えています。
――日本の冷食大手メーカーも中国を虎視眈々とねらってる。
周 中国の冷食市場のライバルは日本だけではない。しかし日本の中のポジションもわかっています。私なりに、3年計画で1億元(15億円)を実現し、もちろん日系冷食メーカーでは中国でbPを確立したいと思っています。
――中国の冷食市場は市販用より業務用に奥深さがありそうだ。
周 上海世博(万博)ではニチレイの冷凍食品も相当多く受注し会場で使われました。上海日冷の工場も世博需要で相当生産量が増えました。中国では業務用市場に大きな可能性があることは間違いありません。しかも業務用は外食、給食、イベント、あるいは大型スーパーのバックヤードなど奥行きの広がりがあります。ファストフード向けでは早速大きな引き合いを得ています。頑張ります。
――周さんは市販用冷食の営業出身、業務用に戸惑いは?
周 確かにこれまでとは違ったステージにあるという責任を強く感じます。市販用営業は経験が長いが、業務用を含む一段高いステージの仕事を任されたわけです。そこで現場の指揮を取る一方で、自分なりに勉強も重ねています。どうすればいいのか、どうすべきなのか、アイデアはあります。
――中国の冷食業界関係者は非常に前向きの人が多い。
周 私は、一段高いステージに上がったことが「チャンス」と捉えており、そこに「チャレンジ」します。中国人だから見える冷食営業の方向性を出していきます。それが中国人の私を総経理に抜擢したねらいと期待だと思います。
――ニチレイフーズの冷凍食品の中で好きなのは何?
周 「焼ギョーザ」です。これは中国の伝統的餃子と違う。皮が薄くてパリパリしてうまい。中国の餃子は中具が肉だが、日式のニチレイF「焼ギョーザ」は野菜。だから健康意識が非常に強くなっている中国人も受け入れる。当社の「焼ギョーザ」、中国で絶対に売れますよ。しかも日式の焼ギョーザを中国で初めて売ったのはニチレイ。いま市場に出ている日式餃子は当社品をマネしたもの。最初に商品カテゴリーを切り開いた投入者としても、この商品を、もっと売ります。もちろん他の商品も。