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業界交差点

この人に聞きたい:第273回
(週刊水産タイムス:11/01/10号)

水産物需要を拡大

大日本水産会 会長  白須 敏朗氏

 

代船建造待ったなし

 大日本水産会の白須敏朗会長は5日、新年会見を行い、水産業界を取り巻く環境と今後の大水の動きについて語った。
 白須会長は「国内水産物の安定供給のため漁船漁業構造改革事業(儲かる漁業)の推進、水産物の需要拡大のための魚食普及の強化、水産資源管理の推進のためMELジャパンの拡充を挙げたい。漁船漁業構造改革事業は19年度からスタートしているが、基金も乏しくなっており、新たな事業への組み替えによって老朽化漁船の代船建造を進めたい」とした。
 その上で「世界中で魚食ブームが起こる一方、国内は魚離れ。昨年はサンマ、サケ、イカの不漁から魚価は上がっているものの、海外の強い需要によって円高にもかかわらず、買い負けしている。いわば魚の空洞化が起こっている。世界の水産物事情は生産が頭打ちとなっており、過剰漁獲、乱獲が続き、環境保護団体の動きも活発化している。中国のレアアース禁輸のようなことが水産物にも起こることがありうる。国内で可能な限り水産物の安定生産を確保し、供給を図ることが我々の使命。23年度の予算では人の確保のための漁業就業者確保育成事業、安定した収入のための所得補償制度、資源管理とリンクした燃油のセーフティーネット、さらには6次化産業化法などが行われる。そして漁船の手当てとして漁船漁業構造改革事業によって代船建造を推進していくことだ」とした。
 また、「水産物の需給では国内生産、輸入とも減少しているが、国内消費も減少するというパラドックス(逆説的)状態となっている。これにより水産物の自給率は、平成14年が53%だったものが、21年には61%となっており、望ましい形の数字で増加していない。水産物の需要拡大のための魚食普及活動を強化する内容を検証し、効率的なものに改めていきたい」とした。

MELジャパンを拡充へ

 さらに「日本は豊かな海を伝統的に守ってきた資源管理先進国であり、ノウハウがある。世界の需要が増大している中で生態系保全からも資源の維持培養を推進するためにMELジャパンを拡大していく。昨年は遠洋・近海のカツオ釣り漁業が参加し、弾みがついた。今年はさらに案件を増やしたい」とした。

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