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この人に聞きたい:第292回
(週刊冷食タイムス:11/05/31号)

新カテゴリーに挑戦続ける

日本水産株式会社 家庭用食品部長  津久田 昭雄氏

(つくだ・あきお)昭和55年入社。福岡の冷食課10年。広域本部家庭用営業部で部長。首都圏部長から本社家庭用部長。昭和31年4月東京根岸生。横浜国大卒。55歳。

課題は急激なコスト高対応

 冷凍食品の普及浸透のため焼きおにぎりで「やきおにお」の「やき家」ファミリーを立ち上げるなどユニークに仕掛ける家庭用食品部。津久田部長は「伸ばす工夫がまだまだある」と語る。6月から福岡支店長となる。

 ――前期の事業総括から。
 津久田 前半は苦しい展開でしたが、後半から消費者キャンペーンやテレビ番組効果なども加わり、重点と捉えていた商品は好調に伸びました。特に主力の「焼きおにぎり」は大ヒットとなりました。「ちゃんぽん」も通年で好調。そこで家庭用スタッフには「自信を持っていいよ」と伝えました。

 ――市販用冷食は上期2%増、下期6%増と尻上がりだった。
 津久田 特に下期は着実に上乗せができました。大震災による打撃はありますが、4月以降も冷凍米飯は力強い需要が続いてます。ちゃんぽん、自然解凍シリーズ、チキン製品もいいし、冷凍野菜が昨年に引き続き動きが活発。

 ――好調持続、問題なしだ。
 津久田 全部うまくいったわけではなく、重点商品以外の裾野がなかなか広がらず、全体で持ち上がらなかったのが反省点。大震災による消費者心理がこれからどう動くのかも注意深く見ていかないといけないでしょう。

 ――ニッスイの冷食は新カテゴリーの取り組みが積極的だ。
 津久田 @強いアイテムをより強くとA新カテゴリー創造は意識しています。今春の新製品「らーめん定食」はとんこつ塩ラーメンと塩豚めしをセットにしたところ、ありそうでこれまでなかった提案と評価され、大きく育ちそうです。「焼きカレー」も従来のグラタン群にはなかった商品。デザートの焼きプリンなどにも挑戦しましたが、これは見直しが必要。

 ――確かにいろいろ果敢に挑戦している。“強いアイテムをより強く”する期待株は?
 津久田 トップ商品群の次に位置する有力商品の育成拡大が大事。オムライス、大学いも、皿うどんなど、もっと伸びてもいいアイテム。鮭塩焼きも当社の独自性が出せる有力分野です。

 ――有力商品が実績につながるのが楽しみ。事業運営の上で今後の課題は?
 津久田 コストアップ対策。これまでも全社でコスト削減に努めてきましたが、原料資材に限らず、販売経費がいま異常に上がっています。メーカーの利益なき消耗戦になってはいけない。何とかしたかったが時間切れ。(6月1日付で就任する)後任の岩田祐二執行役員部長に引き継ぎます。

 ――首都圏家庭用部長と本社の家庭用食品部長としてこれまで8年強。ニッスイの市販用冷食の強さ、課題は何?
 津久田 水産素材からの一貫した製品づくりはもちろん、ニッスイしかできない商品がたくさんあります。これをこれまで大事にしてきたし、これからも同様。また、再び成長し収益構造をしっかり固めるのが課題。幸い、その基調で進んでいます。ニッスイの市販用はもっと強くなります。

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