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この人に聞きたい:第298回
(週刊冷食タイムス:11/07/12号)

打って出る

テーブルマーク(株) 代表取締役社長  日野 三代春氏

 

市場の元気取り戻す

 テーブルマークの日野三代春社長は、「この4〜5年、事業統合の整理で業績は低迷していたが、当社の持っているポテンシャルは高い。今後、加工食品事業は(事業規模を)元の状態に早く戻すのが一義的な目標。ベーカリー事業は子会社サンジェルマンが培ってきた職人の技術や店舗運営のノウハウを生かして工業化する。今年11月にはサンジェルマンのパン新工場(横浜市、冷凍生地ラインも設置)が稼働する」など7日開いた記者会見で方針や計画を語った。
 日野氏は取締役専務執行役員から6月24日付で社長に昇任したばかり。
 日野社長は、ジェイティフーズと旧加ト吉の統合後の経過について「ひとつのステージをクリアしたと思う」と分析。「山田良一前社長(現取締役会長)が相当な成果を出してくれた。今年は打って出る年になる」として、その源になる「社員のポテンシャルは高い」と語った。また山田前社長が掲げた「世界をめざすリーディングカンパニー」という旗印については、「我々の思いは変わっていない。これまではその段取りを進めてきた訳で、2011年から(その旗印に向かって)動き始めたところを示していく」と語った。
 社長の指名を受けた経緯などについては、「私が旭化成工業から日本たばこ産業に転籍した当時の食品事業部長が山田前社長。ある日出張から戻ると、『日野君しかいない、社長をやってくれ』と言われ、2日間考えてお引き受けした」という。また「私が赤字事業を経験するのは今度で9回目。JT食品事業部長時代には餃子事件を経験した。こうした苦労を生かせ、と指名されたと受け止めている」と説明した。
 また「JTフーズは自社工場を持たず委託生産でマーケットインできたのに対し、加ト吉は自社工場で売りたい商品を売るスタイル。両社のカルチャーの違いで多少の混乱があったのは事実だ」と認めた上で、「主食領域の麺・米飯・ベーカリーのステープルに集中していく」ことを改めて強調した。
 原料高騰に伴い「あじフライやえびフライなど天然素材を使う商品は顧客と相談した上で値上げせざるを得ないが、うどんなどは工夫によって単純値上げを回避できる」とした。

前期259億円減収、冷凍食品1096億円に

 テーブルマークは、これまで開示していなかった売上高について「前3月期は1826億円、前年の2085億円と比べ259億円の減収となった」と今月7日、日野新社長の記者会見の席上明らかにした。
 このうち冷凍食品(一部常温食品含む)は2009年の1143億円から2010年は1096億円(前年比4%減)、ベーカリーは169億円から159億円(6%減)、調味料は191億円から186億円(3%減)、水産その他は582億円から385億円(34%減)で着地したことを初めて公表した。
 冷食とベーカリーの加工食品売上高は1255億円、前年比57億円減。減収の主な要因は「米穀卸販売業の終了など非食品事業の整理によるもの」(同社)。
 同社では「注力しているステープル(主食領域)商品については家庭用、業務用とも順調に成長を続けている」と説明している。

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