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この人に聞きたい:第301回
(週刊冷食タイムス:11/08/02号)

市場変化は大きなチャンス

キユーピー(株) 取締役フードサービス本部長  西尾 秀明氏

(にしお・ひであき)昭和54年三英食品販売入社。業務用一筋。執行役員フードサービス本部長から取締役に。昭和32年2月長崎生。清峰高で野球部、九産大卒。

消費生み出す「女子力」に注目

 震災後、内食需要が拡大する一方で外食市場が低迷しているが、キユーピーは地域戦略、早帰り客や“女子会”需要の取り込みに取り組んでいる。しかし鶏卵原料不足などの新たな課題も浮上。現況を聞いた。

 ――「食卓から日本を元気に」と全社で取り組んでいる。
 西尾 当社グループの工場は震災で直接の被害を受けなかったが、物流面で影響があり、3月後半、商品供給で得意先にご迷惑をかけました。当社第1四半期(12月〜2月)の業務用は4%増と比較的堅調でしたが、震災後の混乱が響き、上期(12〜5月)は1%減と割り込んでしまいました。しかし、日本経済を明るくするために食卓から元気になっていただこうと、全社で様々取り組んでいます。

 ――震災で市場が変わった?
 西尾 ノー残業デーの導入が進み、サマータイムで早く帰宅する人が増え、土日の出勤もある。これが外食に少なからず影響しています。また大手外食店を中心にメニューの絞り込みが見られ、居酒屋、ホテル、会館需要にはいまだ厳しさがあります。一方で中食需要が旺盛で惣菜売場は元気。コンビニ市場も盛り返しています。

 ――キユーピーの業務用は?
 西尾 大手外食ルートなど一部厳しさが残る市場もありますが、6月以降は相当回復が見られます。外食も含めて全業態で前年を上回りました。

 ――市場変化を見越して全国を3エリアに分けて対応している。
 西尾 被災した@復興エリア、関東を中心としたA節電エリア、西日本を中心としたBチャレンジエリアと位置付け、特にチャレンジエリアで大きく伸ばそうという営業戦略。そこに4つのキーワードを組み合わせてそれぞれにメニュー提案し、食卓から元気を取り戻そうという考え方です。キーワードは@涼しさ、暖かさA絆B活力C時短調理、簡便の4点。

 ――キユーピーは冷食、チルド、常温の温度帯と幅広い商品カテゴリーで総合的に攻められる。
 西尾 内食、中食、外食と取り組んでいるのも当社の強み。特に我々は市場をけん引し新しい消費を生み出す力は女性にあり、と女性の力に注目しています。「女子会」に加え、最近では「ママ会」が人気になっており、あるいは自分を誉める“ご褒美メニュー”という動きもあります。こうした市場の動きをしっかり捉え、冷凍、冷蔵、常温、あるいは「具だくさんソース」、冷凍泡の「エスプーマベース」に代表される鶏卵加工技術などを組み合わせて、女子力アップを応援するために、モノではなく「コト」提案を進めています。

 ――安定していた鶏卵原料の調達が厳しくなってきた。
 西尾 原料不足で我々の製品供給にも制限が出てきました。鶏卵相場も高騰しています。そこで、やむなくタマゴ製品の価格改定を上期実施しました。

 ――様々な環境が変わる。
 西尾 日本の社会全体が変わり、食も変わります。これをしっかり捉え、積極的に提案します。

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