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この人に聞きたい:第310回
(週刊水産タイムス:11/10/03号)

“きら星”社員を陸続と

丸千千代田水産(株) 専務取締役  石橋 剛氏

(いしばし・つよし)平成9年3月東京理科大工学部卒業。11年8月に丸千千代田水産へ入社。13年に取締役、19年に常務、今年4月から現職。昭和46年生まれ。趣味はヘラブナ釣りとマラソン。

 提案力と商品開発力を最大の強みとする同社。「末端が良くなければ良い商売はできない」と川下の重要性を強調。「来店するお客さんに喜んで頂ける商品を開発し、バイヤーと一緒になって店づくりをしていくことが大事」と自らの信念を語る。

 入社して約12年。小揚げから塩干・加工品、冷凍原料までひと通り経験した。ここ5年は企画開発を担当。情報・基幹システムや物流、販売促進、商品開発まで幅広い業務を管掌する。
 「(企画開発は)新しい取り組みに挑戦する“切り込み隊長”のような仕事」。小学4年の時に“青春18きっぷ”で全国を旅した経験のある同氏。「とにかくやってみなければわからない」と何事にも物怖じしない性格だ。
 同社の平均年齢は37歳と他の荷受会社に比べて若い。同氏も40歳。上から命令するというよりは、アドバイスしながら若い社員と一緒に戦っていくという姿勢を崩さない。
 塩干・加工品を専門に扱う同社。「売場づくりや食べ方など、末端への提案の仕方でもっと大きなチャンスがある」と自信を示す。そのためには「企業の大きさが問題ではなく、専門知識や提案力を生かした社員ひとり一人の人間力が重要。どんな小さな商材でも良いから“日本一”をめざそうと営業社員には常々言っている。社内にきら星のごとくスタープレイヤーを増やしていくことが夢」と語る。
 魚食普及にも力を入れる。
 「魚の良さを生かしきれていないのが現状。うまくアピールすれば、需要はまだ伸びる。日本人が持つ魚食DNAをいかにかきたてるかが大きな課題」と指摘する。
 理系出身だが「アナログも理解できるデジタル派」と自らを評する。理論的思考回路はもちろん大切だが、「仮説と検証をもとに次のプランを立てる時には文系的なセンスが必要。何より人の気持ちがわからなければ商売はできない」。

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