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この人に聞きたい:第317回
(週刊水産タイムス:11/11/21号)

“ヨコ串”で総合力アップ

(株)合食 代表取締役社長  砂川 雄一氏

(すながわ・ゆういち)昭和38年生まれ。48歳。京大農学部卒。三井物産を経て平成6年合食へ。常務、東京支店長、専務、代表取締役副社長を務め、今年10月から現職。

 10月から社長として陣頭指揮を取っている。水産物・加工食品の輸出入や製造・販売を幅広く展開する合食は、水産商社・荷受・メーカーと3つの機能を持ち、国内外に生産・営業拠点を有するだけに、グループの総合力発揮と、国内工場の活性化を当面の最大の課題に掲げている。

 ――社長になって感じることは。
 「今さらながら痛感するのは長年にわたって弊社をご支援くださった地域のお客様の有難さ。これからはグループの総合力をさらに生かしたご提案で、これまでの恩返しをしていきたい」

 ――具体的な取り組みは。
 「これまでは各部署やグループ会社が独立採算制を取ることで一定の成果を上げてきたが、半面、同じグループでありながら情報交換や意思疎通が十分ではなく、その結果、ビジネスチャンスを逃してきた面があった。今、最も必要なのはグループ全体を貫く“ヨコ串”。『今頃』と笑われるかもしれないが、10月からテレビ会議による全社横断的経営戦略PT(プロジェクトチーム)も立ち上げた。グループ内における知恵の共有も総合力を最大限に発揮できる体制づくりにつながる」

 ――会社の将来を決定づける人材育成は。
 「国内外に拠点を持つだけに人事面も改革を進める。誰もがやりがいを感じる会社。仕事が楽しくて仕方がないという会社。一人一人に夢を与え続ける会社を目指す」

 ――今後のマーケットをどう見る。
 「中国産から東南アジア産や国産に比重がシフトするだろう。中国の人件費もこれまでのようなわけにはいかない。当社も海外に拠点や協力工場があるが、国内の自社工場では海外生産品とコスト競争しても勝てる体制を目指す。簡単ではないが、これが日本の産業の空洞化に歯止めをかけ、雇用創出による地域活性化にも寄与する。“モノづくり日本”の力を食品業界からも示していきたい」

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