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この人に聞きたい:第318回
(週刊水産タイムス:11/11/28号)

現場の意向くみ復興を

水産庁 増殖推進部長  木實谷 浩史氏

(きみや・ひろし)昭和54年北大水産学部卒。同年4月に水産庁入庁。増殖推進部栽培養殖課魚類防疫室長(当時)、九州漁業調整事務所長、農林漁業信用基金理事などを歴任。今年10月から現職。

 「北大では水産増殖学科で学んでいた。今のポストが増殖推進部長。何か因縁は感じますね」。日本周辺の外国漁船対応の部署を長く歩いてきた。新ポストに就いて約2カ月。「まだ緊張している」と漏らすが、「部はもちろん、水産庁全体がうまく回るよう自分の仕事をする」と意欲を見せる。

 水産庁に入って、最初に配属されたのが当時の海洋漁業部国際課東アジア班。「今から30数年前は韓国漁船や中国漁船が大挙して押し寄せた時代。漁業水域暫定措置法で200海里水域を設けていたが、中国・韓国漁船には適用されていなかった。だから、日本の沿岸漁船とのトラブルが絶えなかった」と振り返る。
 九州漁業調整事務所では漁業監督課長を経験する。「当時、韓国漁船の違反件数は年間1000件を超えた。それらを取り締まるのが仕事だった。連日徹夜の日もあった」と苦労を話す。
 日本が国連海洋法条約を批准するため、今度は振興部沿岸課(当時)で排他的経済水域に関する法整備や新漁業協定締結に向け韓国、中国との交渉に力を注いだ。岩手県への出向を経て、再び資源管理部沿岸沖合課で韓国、中国との操業条件交渉に携わった。
 九州漁業調整事務所漁業取締グループが、外国船取締りの実績を評価され人事院総裁賞を受賞した平成18年、「所長だったのでグループを代表して天皇皇后両陛下にご接見いただいた。今でもよく覚えている」と懐かしむ。
 東日本大震災が起こった時は、農林漁業信用基金にいた。被災地の岩手や宮城県を訪れると、「ここはどこなのかと思った。自然の力に対して人間の力の小ささを見せつけられた感じがした」と実感を込めて語る。「でも、漁船を修繕したり次の準備している漁業者の頼もしい姿を見ると、絶対に復旧すると確信した」。
 「私が今やるべきことは、現場の意向をくみながら復旧・復興に全力投球すること。必ず日本の水産業を未来につなぐ」と誓う。

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