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この人に聞きたい:第321回
(週刊冷食タイムス:11/12/20号)

物流品質の向上図り、相次ぐ投資

横浜冷凍(株) 取締役執行役員冷蔵事業本部長  飯島 敏正氏

(いいじま・としまさ)今年4月から現職。昭和27年4月生まれ、59歳。横浜市出身。法政大卒。愛読書は論語。ゴルフはハンデ10の腕前。

決めたら行動、迅速対応に徹す

 横浜冷凍は近年着実に業容を拡大し、前9月期も冷蔵倉庫事業が増収増益、新設倉庫も早々に軌道に乗せ、盤石の体制を築きつつある。冷蔵事業トップの飯島敏正取締役本部長に強みの要因、今後の展望を聞いた。

 ――大震災の被害からの復旧状態はどうか。
 飯島 気仙沼、仙台の被害が甚大だったが、着実に復旧し、現在は営業を開始しています。「変化に迅速対応する」というのが吉川俊雄社長の身上であり、企業風土になっています。今回も社長の陣頭指揮の下、全社態勢で復旧にあたり、どこよりも早く営業再開にこぎつけたと自負しております。ただ、東北地方ばかりがクローズアップされますが、実は横浜大黒地区の被害も見過ごせない規模でした。倉庫内の貨物が倒壊するといった被害に対し、各センターから週末のみ100人規模の人員を送りこみ、1カ月かけて修復した実態もあります。

 ――冷蔵倉庫の新増設も毎年のように行なっている。
 飯島 「投資によるヨコレイ品質の向上」を合言葉に、スクラップ&ビルド(S&B)を含め、計画的に遂行しています。前期も大阪北港、鹿児島およびタイワンノイの3センターを予定通り竣工し、順調な滑り出しを見せています。今期は来年8月、北海道に喜茂別センター(仮称)が完成予定であり、着実に事業基盤を拡大しています。

 ――投資も積極果敢。いつもながら完成後の滑り出しも順調だ。
 飯島 新たな投資によって物流品質が格段に向上するわけではないが、顧客の求める高度な要求に応える体制が整います。地元の倉庫需要に応じて投資しているケースが多いので、開業後の集荷を含め立ち上がりが早いのだと思う。

 ――ヨコレイはそれまで影も形もなかった投資案件が突如表面化することが多い。
 飯島 土地を買ったら着工を待たないのがヨコレイ流。決断が早く行動が早ければ、被災などのピンチもチャンスに変えられる。

 ――業界内でも高収益で知られるが。
 飯島 冷蔵倉庫は容積に対して入る量は決まってくる。入庫を増やし、在庫効率を高めていくことが大事。さらに従業員の生産性の向上も不可欠です。日本冷蔵倉庫協会でも数年前から「物流品質」という概念が謳われるようになりました。物流品質、つまり仕事のクオリティを上げることが最終的な利益につながる。物流品質を上げないで料金を上げてもらえるわけがないのです。

 ――「安全安心」で象徴されるが、得意先の要求も高まっている。
 飯島 得意先の要求は年々多様化し、求めるハードルは高くなっています。そして今後も要求度が下がることはない。我々はお客様自身が気づかないことまで考えて、こういう物流をやればもっとコストダウンできますよ、といった提案力を備える必要があります。これからも「お客様ありき」を大前提に、持てる機能を磨いていきます。

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