この人に聞きたい:第323回
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日本水産 垣添直也社長
日本水産の垣添直也社長は「ニッスイグループにとって次の100年への最初の新年。実に様々な試練に遭遇した昨年を皆さんの一丸となった努力で克服し、新しい力として蓄えつつ今日を迎えた。改めて有事に強いニッスイを確認した1年だった」と総括。
また「地震等の自然災害や地球規模の気候変動への備えも欠かせない。東日本大震災を契機に人々の価値観も大きく変わった。単に自然災害に強い、また経済変動に強いニッスイグループをつくるだけでは充分ではない」とし、「@震災のダメージを克服して強みに変えるAグローバルリンクスのフルポテンシャルを発揮することで成長する高揚感をつくる――に取り組んだ。手応えは出はじめた」と報告。
「平時も強いニッスイグループを実現し企業価値を高める年を皆さんと一丸となってつくって行こうではないか!」と呼び掛けた。
マルハニチロホールディングス 久代敏男社長
マルハニチロホールディングスの久代敏男社長は、「昨年の漢字に『絆』が選ばれたように、震災では個々人と家族・社会との関係について考えさせられた。会社という組織についても、未曾有の災害を前にして食料、流通網、インフラなど『なくてはならない』ものが再認識されるなかで、収益事業体としての価値だけではなく、社会に必要とされる会社の価値とは何であるのかを考えさせられた」と総括。
新中期経営計画『ダブルウェーブネクスト』については、「グループの財政状態を健全なものにして、2014年度からスタートする次期中期3カ年経営計画において攻めに転じるための環境を整備する計画と位置付けている」とし、「2012年は『ダブルウェーブネクスト』の最終目標達成に向けての土台作りを担う重要な年。社会との関わりと『絆』を意識して、真摯に事業を遂行する1年間にしたいと思う」。
極洋 多田久樹社長
極洋の多田久樹社長は、世界各国の情勢を示しながら、「我が国の政治も安定しているとは言い難く、変化に対する対応能力が懸念される。また震災からの復旧復興は今年が正念場となり、原発問題など紆余曲折が予想される。いずれにしても今年も国内外に亘り、変化の激しい年になってもおかしくなく、情報収集に努め的確に対応する必要がある」と語った。
また「当社の新中期経営計画の初年度であり、3年後の目標達成に向けて弾みになる年となることを期待している。新中計は現在策定中だが、連結ベースで最終年度売上高2千億円、営業利益50億円をめざす」とした。
さらに「グローバル戦略と加工戦略をさらに推進し、事業の選択と集中を加速し、当社が強みを持つ鰹鮪も含めた水産事業は加工品を中心にさらに強化するとともに、食品事業においては新規分野への進出も視野に入れた体制を強化していく。逆に経営環境の急激な変化に対応することが困難な事業については見直しを進める」と語った。