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この人に聞きたい:第325回
(週刊冷食タイムス:12/01/24号)

量販店の販路開拓に成果

(株)キンレイ 取締役食品カンパニーCEO  片岡 晃氏

(かたおか・あきら)昭和54年早大卒、キッコーマン入社。欧州製造法人代表を経て平成14年ベネッセコーポレーション、22年キンレイに。昭和30年生まれ、57歳。

今年は米飯事業にも挑戦

 キンレイは一昨年4月からの3カ年計画で①超アルミ鍋(商品形態の多角化)②超コンビニ(販売チャネル拡大)③超日本(海外進出)を手掛けている。今年から「超麺」にも取り組むと語る片岡CEOに聞いた。

 ――「脱」ではなく既存の枠を超える取り組みが「超」。3つの「超」の現状は?
 片岡 超コンビニと超アルミ鍋はそこそこ結果が出ています。
 
 ――超日本は?
 片岡 これからです。玉麺なら今も日本から輸出していますし、それをさらに拡大するという戦略もあるかもしれませんが、当社が海外を手掛けるならやはり具付き麺でいきたい。ところがスープや肉類はそれが難しい。そうなると現地生産が必要なので、作ってもらえそうな企業にあたりをつけているところです。

 ――米飯にも挑戦している。
 片岡 3つの「超」に加え、「超麺」にも取り組みます。今年は主に米飯を手掛けます。2月には量販店向け冷凍米飯の第1弾として「お水がいらない」シリーズで「スープ飯参鶏湯風クッパ」と「カルビクッパ」を発売します。コンビニエンスストアではチゲぞうすいを既に発売しています。さらに、プラスチック容器で電子レンジ調理できる冷凍米飯もコンビニで発売します。

 ――「超アルミ鍋」、「超コンビニ」の具体的成果は?
 片岡 今3月期の上期の食品事業の売上高は95%でしたが、それはつくば工場が震災で生産をストップし一部の顧客が他社製品に切り替えることで、業務用が25%減と苦戦したため。市販用は5%増となり、特に量販店向けの「お水がいらない」シリーズが前年の397%、つまり4倍近くに伸びました。ある量販店では同シリーズの鍋焼きうどんがカテゴリー売上げのトップになるほど。

 ――一昨年の猛暑を省みて開発したレンジ調理の「チンして食べてね」シリーズは?
 片岡 期待はずれでした。具が少なく安価な商品なのですが。

 ――低価格の時代なのに高いほうが売れるとは。
 片岡 専門店の味を再現した専門店シリーズも減少傾向です。

 ――下期の状況は?
 片岡 業務用が戻ってきて11月までトータル100%ちょっと。コンビニは前年並。生協関係は20%増。量販店は80%増です。市販用だけなら10%増となります。量販店の売上げ構成比は5ポイント上昇しましたから、超コンビニの取り組みは成果が出ていると言えます。アルミ鍋製品は毎年3%ダウンしています。食品事業の売上げは前期67億円でしたが、今期は70億円ペース。営業利益も伸びています。昨年厳しかったのは震災でアイテムカットをし、欠品したら大変なので生産再開後に作りこみ在庫が増えた点。しかも明らかに原価割れで売る競合もありました。

 ――ホームページで様々なキャンペーンを展開している。
 片岡 今年から首都圏と関西で私鉄のドア広告も展開します。

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