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この人に聞きたい:第338回
(週刊冷食タイムス:12/04/24号)

対日輸出が年々厳しく

龍大食品集団有限公司 総経理(社長)  宮 明杰氏

(Gong M ing J ie)日本の大学で語学と貿易実務を学び帰国。副社長を経て平成14年から現職。常に多忙で世界各国、中国全土を飛びまわる。昭和37年9月生まれ。

内販の豚肉は弾みつく

 龍大食品集団(中国山東省莱陽市)の宮明杰総経理は「昨年は震災の影響で対日輸出は伸びたが、今年はまた厳しくなる」と分析する。昨年スタートしたアメリカンドッグは「成長が期待できる」と自信を深めている。

 ――龍大食品グループの2011年(1〜12月)業績から。
  売上高は前年比23%増の75億元(約930億円)と大幅な増収で終了しました。これは東日本大震災の影響で一時的に需要が急増したためです。日本を中心とする輸出高は22%増の2億8900万米ドル(約225億円)だったことからも明らかです。

 ――12年も同じような成長を見込んでいる?
  いや、前年ほどは伸びないでしょう。総売上高は国内販売の伸びが期待できるため80億元前後は行くでしょうが、輸出高は昨年の反動があり前年並にとどまる見通しです。対日輸出は大事な位置づけですが、もはや右肩上がりの成長は難しいと言えるでしょう。中国国内市場をさらに攻め込む考えです。

 ――中国の消費者も食品の安全に敏感になっている。
  その通りです。国営企業でさえ不祥事を起こせば存続の危機に晒される時代。我々も輸出事業で培った品質管理をもう一度見直し、万全の態勢で臨みます。

 ――この数年、豚肉事業に力が入っているが。
  現在、自社で30万tの原料豚を生産しており、河南省の合弁会社からも原料豚を仕入れていますが、まだまだ足りません。そこで養豚場の増設を進めており、年末には完成、パワーアップする予定です。

 ――原料不足といえば、野菜についても状況は同じだと思うが、畑の拡大は計画している?
  確かに野菜原料についても天候異常などで不足気味ですが、畑の拡大となると微妙です。畑を拡大するにはコストがかさみ、その管理も並大抵ではできません。安全性に問題が発生すれば事業継続が危ぶまれ、かといって自社の目の届かない原料は使えません。増産体制を整えるにしても、パートナーや顧客のオーダー次第ということになります。

 ――アメリカンドッグは?
  フルタフーズの技術力を生かして生産が始まっていますが、販売についてはこれから。中国では認知度の低い食品ですが、私は中国の消費者に受け入れられると自信を持っています。実際、試食販売の反響はとても良い。ただ中国のCVSは消防法の関係で店内のフライヤー設置が規制され、当初の計画よりは遅れている。規格をフライから電子レンジ調理に変更して営業を展開しています。

 ――山東省中心の展開?
  今は山東省中心にCVSや小・中学校近くの小売店舗への導入が進んでいます。3月に成都で開催された中国最大規模の食品展示会に出品し、1日で2千本を売上げて自信を深めています。また最近、あるCVS100店舗の導入が決まったところです。

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