この人に聞きたい:第350回
(週刊冷食タイムス:12/07/24号)
機器販売だけでなく顧客の立場で
ジョンビーン・テクノロジー(株) 代表取締役 谷 賢一朗氏
(たに・けんいちろう)日本電子、セイコーインスツル、Veeco社等に勤め今年7月1日から現職。趣味はゴルフ、フットサル。大阪出身、昭和38年生まれ、今年49歳。
ソリューションプロバイダーめざす
食品機械メーカー、ジョンビーン・テクノロジー(JBT)の社長に今月1日就任した谷氏は「機械を売るだけでなく、さらに付加価値を提供できるソリューションプロバイダーを目指したい」と意欲を見せる。抱負を聞いた。
――JBTはフリゴスカンディアのフリーザー、スタインのオーブン等、優れた食品機械を扱っている。谷社長は食品業界は初めて?
谷 当社に入る前はスウェーデンのフレックスリンクというマテハン装置メーカーの日本法人で代表取締役を務めていました。包装後の製品を3次元的に搬送する装置を扱っていました。今も冷凍食品メーカーや多くの食品メーカーに使っていただいています。
――その前はハイテク機器の企業に勤めていた。
谷 ハードディスクのヘッドを製造する装置メーカーの統括本部長を務めたこともあります。半導体の計測装置や、有機分析装置などの営業経験もあり、農薬や異物の分析では食品産業との接点もあります。
――JBTは世界レベルで優秀な機械を扱っている。
谷 日本だけでも250台以上の納入実績があり、20年以上使っていただいているユーザーも多く、信頼性の高い機械を扱っているのが当社の強みだと思っています。就任してすぐに顧客回りをしましたが、「フリゴのフリーザーは洗浄性が非常に良く、シンプルな構造で故障も少ない」と、良い評価を聞いています。
――確かにジャイロコンパクト(スパイラルフリーザー)は定評がある。
谷 品質はすごくいいのです。じゃあすべての冷食メーカーがフリゴの本当の良さを知っているかと言えば、必ずしもそうではない。もっとフリゴの良さをわかっていただけるように努めたい。
――今後の強化ポイントは?
谷 早急にサポート体制の強化を最重要項目として取り組みたいと考えております。
――具体的にはどのように?
谷 まずはお客様に対してのレスポンスのスピードを速めたい。食品は稼働を止めるわけにいかない商品ですから、夜間や休日の対応も必要だと考えています。お客様からの要望が多い主要保守部品の在庫充実化も進めたい。前職の食品向け搬送設備の経験においても、ラインを止めるわけにいかないお客様のご苦労は分かっているつもりです。
――スタインの蒸気加熱オーブンなども扱っている。
谷 原料処理を除く加熱から完成品までの一貫システムを提供できるのが当社の強み。各ユーザーでの食品加工プロセスが多様化するなか、赤外線オーブンやプログラマブル・バッチオーブン等の新製品も積極的に提案していきます。当社の強みはJBTのグローバルネットワークを活用し、海外での成功事例やお客様に有効な情報を提供できることです。ただ箱ものを売るのではなく、ソリューションプロバイダーとしての役割を担えるようにしたいのです。