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この人に聞きたい:第351回
(週刊水産タイムス:12/07/30号)

マンパワーを最大限引き出す

大都魚類(株) 取締役社長  青木 信之氏

(あおき・のぶゆき)昭和49年大洋漁業(後のマルハ、現マルハニチロホールディングス)入社。マルハ食品管理部長、取締役、常務、マルハグループ本社常務などを歴任。平成23年4月にマルハニチロホールディングス専務、今年4月に大都魚類顧問に。昭和26年5月生まれ、北大経済卒。

 今年6月下旬に社長に就任。水産物流通の1丁目1番地、まさに原点と言える築地市場に職場を移した。「経営環境は厳しいが、一歩ずつ着実に改善していく。マンパワーを生かして、大都魚類が持つポテンシャルを最大限に発揮させていきたい」と社長としての抱負を語る。

 今年3月までマルハニチロホールディングス専務を務めた。07年のニチロとの経営統合の際は、統合推進室長として尽力した経歴を持つ。

 築地市場から、魚本来の価値や魅力を消費者にいかに発信できるかが荷受に課せられた重要な課題だと指摘する。

 「現状は魚に関する考え方に、世間とのギャップがある。例えば、築地で働く魚のプロはサンマの内臓がうまいと言うが、世間では(内臓が)単なるゴミとしか思われていない。魚そのものの総合的な価値を発信することで、市場と消費者間のミスマッチを埋めることができるはず」

 そのために、社員の経験や能力を生かし、マンパワーを最大限に発揮させる組織改革に取り組む。

 「水産物流通は人そのもの。魚のプロとしての知識やスキルが荷受の強みと言えるが、個人主義、個人商店的な面がある。自分ひとりの能力では限界があるため、違った刺激を与え合うようなチームプレーをすることが大事。組織立った事業運営ができれば、個人の能力も今以上に発揮される」と信じる。

 築地から豊洲への移転もチャンスと捉える。周辺市場の統合が進んでいる中で、移転は築地市場だけの話ではない。

 「首都圏を面として見た場合、新市場を拠点に水産物流通は大きな変革期を迎える。単なるハード(建物)の移転ではない。築地のビジネスそのもの、ソフト面を変えるひとつのきっかけとして移転を生かすべき。逆にそうしなければもったいない。“夢を持った移転”として、しっかりと次のチャンスにつなげたい」

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