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この人に聞きたい:第378回
(週刊冷食タイムス:13/02/12号)

地域密着に徹し、給食伸ばす

(株)ふくしま 代表取締役社長  福島 毅春氏

(ふくしま・たけはる)専修大経済学部を卒業後、菱食(現・三菱食品)入社。ふくしまに平成6年入社、15年常務。昭和40年10月生まれ、47歳。

年商50億円到達へ新拠点も検討

 業務用卸のふくしま(埼玉県川越市)は創業90周年、会社の設立50周年を今年迎えた。社長に昨年11月就任した福島毅春氏は創業者の故福島久次氏の孫。DNAとも言える堅実さを継ぎながら、成長意欲も示している。

 ――元水球選手で、インターハイや国体にも出場経験があるとか。
 福島 中学から大学まで選手生活でした。ポジションはフォワードです。その経験で何か仕事に役立つことはあるか?
 どうでしょうねえ。私は性格的にオフェンス(攻撃)志向ですが、仕事においてはオフェンスとディフェンス(守備)をつなぐミッドフィルダー志向です。攻めているからこそ守れる、ということはある。後退だけは誰もしたくないはず。一方、売上げだけに走ってもだめ。地盤をきちんと固める必要があります。当社会長は長年にわたり利益を出し続けてきました。その堅実さは引き継がなければなりません。一歩ずつ踏み固め前進する考えです。

 ――入社当時の年商は?
 福島 27億円でした。20年近くが経過した現在の年商が37億円なので、それほど伸びていません。しかし赤字決算を一度も計上することなく37億円まで伸びた主な要因は、病院・シルバーや惣菜ルートの貢献です。当社が病院・シルバーを本格的に手掛け始めたのは、私が入社した20年前頃から。つまり学校給食が中心だった当社が病院・シルバーの比重を高め始める時期に入社しました。現状では病院・シルバーが当社売上げ構成比の3分の1を占め、学校給食が約30%、産業給食・仕出し約25%、惣菜・外食ルート約10%です。

 ――今後の目標数字は。
 福島 あえて数字を掲げれば、当面は利益を伴いつつ年商40億円を達成することです。病院・シルバーがこのまま伸びれば十分達成できる見通しです。遠いところの数字を掲げるつもりはありません。地域密着卸として適正と考える規模は年商50億円。そこに到達するためには新拠点立ち上げも検討します。ユーザーとの密なコミュニケーションが給食全般で大事ですが、それは展開エリアを広げるほど難しくなってきます。コミュニケーションが疎かにならない範囲で展開を広げたい。しかし、あくまで当社は地域密着卸。地域にいかに貢献できるかに我々の存在理由があるでしょう。

 ――学校給食をどう捉える。
 福島 少子化であり、学校給食が今後拡大する見通しはありません。食育や地産地消に伴って様々な制約もかかってきました。冷凍食品を納品して卸が伸びてきた時代からは変化し、少子化になるほど、特に単独校では調理冷凍食品を使わなくなってきました。製品のニーズも素材系にあります。学校給食を伸ばす舵取りは年々難しくなってきました。学校栄養士とのコミュニケーションもかつてに比べ制約が増えています。それは栄養教諭制度が出来たこととは関係のない、社会の流れによるものです。とはいえ、学校給食に安定感がある点は変わりがなく、今後も重要な分野です。

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