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この人に聞きたい:第381回
(週刊冷食タイムス:13/03/05号)

食肉も付加価値付けて売る時代

日本ハム(株) 取締役常務執行役員 食肉事業本部長  末澤 壽一氏

(すえざわ・じゅいち)昭和29年3月30日生まれ、今月末59歳。大阪市出身。日本ハムから日本フードを経て宝幸、平成23年に日本ハムに戻り、24年4月から現職。

相場に左右されない商品作りへ

 日本ハムが低温食品の壁を乗り越えて様々な挑戦を始めた。日本ピュアフードは「日本ハムファイターズの寮ごはん特別編」で精肉売場を攻める。「スキマを埋める仕事はまだまだある」と語る末澤壽一常務に話を聞いた。

 ――素材肉から加工・調理分野への進出が活発だ。
 末澤 素材としての食肉事業は限界があり、付加価値を高めなければ時代に遅れる。食肉業界におけるグレーゾーンというか、スキマを埋める仕事はまだまだある。これは水産業界も同じでしょう。

 ――日本ハム本体の他、グループ会社も同じ動き。
 末澤 部署や会社によって立ち位置は異なるが、顧客から見れば「日本ハムグループ」とひとつのくくり。これまでのように顧客を限定せず、すべてを取り込んで行く気概で臨んでいます。食の世界もワールドワイド、海外からの輸入品の攻勢も強いが、世界から見れば日本の人口1億2千万人よりも、中国や東南アジア市場の方が魅力的。

 ――原料面に不安は?
 末澤 食肉原料は相場があり、調達ルートも違う。当社が販売している約100万tの食肉のうち、自社で調達できるものは半分程度。自社調達のシェアを1%上げるには5万t増やさなければならない。だから相場に左右されない商品作りが大事になる。

 ――日本ピュアフードが開発した「日本ハムファイターズの寮ごはん特別編」もその位置付け?
 末澤 日本ハムの中央研究所と一緒にプロジェクトチームを立ち上げ、半年かけて形にした。「食べて栄養バランスを摂ろう」という考えに基づいて開発。製品に使っている牛肉のインサイドは、赤身やでんぷん質の多い部位ですが、グループの調達力がないと安定した供給は無理。

 ――冷凍食品売場への参入は考えていない?
 末澤 我々が狙うのは精肉売場の冷凍ケース。調理の最終工程でひと手間かけてもらうことで、一般の冷凍食品とは一線を画す。家庭に常備している野菜と組み合わせることで、手軽に本格的な調理が楽しめ、しかも家庭でありがちなオーバークックでもおいしく食べられる商品設計です。ソースも日本ピュアフードの青森プラントで自社生産しています。

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