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業界交差点

この人に聞きたい:第388回
(週刊水産タイムス:13/04/22号)

生半可な成果では納得せず

(株)極洋 常温食品部長  今藤 龍丸氏

(いまふじ・たつまる)

 課長になりたての平成16年、それまで赤字部門だった極洋の缶詰事業を黒字に転換し、社内表彰を受けたことがある。「思い切って商品を絞り込み、自信を持てる商品に集中。手薄だった東京地区にも注力した」と当時を振り返る。

 この十数年で缶詰事業は年間売上高30億円から90億円以上に成長。今や常温食品セグメントとして極洋グループ5本柱の一つを担うまでになった。

 ただ、恒常的な「100円均一セール」が横行する業界を相手にしているだけに、利益は出しにくく、水産ビジネスのような派手さはない。飲みに行っても、逆にキョクヨーブランドのサケ缶を素材に使ってほしいと自ら売り込んでくるほど草の根の努力が、手堅い利益を支えている最大の要因かもしれない。

 利益率が高かった鯨缶詰からの撤退、東日本大震災では主要協力工場が被災するなど、大きなダメージを受けながらも、その都度、乗り越えてきた。

 もともと生半可な結果では気が済まないタイプ。かつて「水面上を維持せよ」との上司の命を「もっと上を狙いたい」と言い返した。その気質は今も変わらない。

 この春はグループ会社が海外まき網船を持つメリットを生かした高品質ツナ缶を全面展開。「キョクヨーの総合力を業界に示す」と意気込む。「秋も画期的な新商品を提案したい」と追撃の手を緩めない。

 モットーとする「謙虚に、まじめに、元気よく」は、早くも部内に浸透している。
 昭和39年生まれ。学習院大学経済卒。

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