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この人に聞きたい:第404回
(週刊水産タイムス:13/08/19号)
受けに回らず、目標を達成
国際捕鯨委員会(IWC) 日本政府代表 森下 丈二氏
農林水産省入省後、水産庁で捕鯨や国際畑を長く歩いてきた。国際交渉の強さには定評がある。今年4月から水産総合研究センター国際水産資源研究所所長に就いた。
さらに、6月21日付で国際捕鯨委員会(IWC)の日本政府コミッショナーも兼務することに。直後の26日から、オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)で、日本が南極海で行っている調査捕鯨が国際法に違反するとしてオーストラリアが日本に提訴した訴訟の口頭弁論が始まった。
出足から慌しい日々が続いた。判決は早ければ今年中に出る見通しだが、「結果を待つのみ」と落ち着いている。
「経験も知識も豊富なので適任だ。何の心配もしていない」。前任の香川謙二水産庁増殖推進部長はこう評価する。「IWC年次会合が隔年開催となったため、今は対策を練る時期。交代のタイミングもよかった」とも。
捕鯨国の減少で、IWCでも難しいかじ取りが予想される。「IWCも様変わりした。和平プロジェクトが頓挫し、昨年のパナマ会議では議論がかみ合わず、すぐ投票に移ってしまった。昔の悪いIWCに逆戻りしている」と憂う。
「先住民捕鯨でさえ風当りが強い。日本の調査捕鯨はもっと厳しい」と受け止めるが、「IWCの新しい枠組みをつくっていきたい」と体制立て直しに意欲を見せる。そのためには、「味方をしっかり固めていくことが重要だ」と強調する。
「IWCでは受けに回ってはいけない。何を期待し、何を達成するか考えなければ」。冷静で紳士的に話すが、その瞳には熱がこもっている。
香川県出身、56歳。
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