この人に聞きたい:第407回
(週刊水産タイムス:13/09/09号)
フジミツ・藤田雅史社長に聞く
西日本でのシェア拡大図る
海外事業韓国・釜山支店を開設
フジミツ(山口県長門市)の藤田雅史社長に前6月期業績や今期の課題、営業戦略などについて聞いた。
――前6月期業績と今期の販売方針は。
藤田社長 前期は増収増益の着地。単価の下げ止まりや商品の見直しが奏功した。また、自らが営業本部長となり、営業体制の見直しを行った。増収要因は業務用など新規の販売チャネルを増やしたため。
中国・四国・九州の西日本重視の営業体制を再構築し、同エリアでの市場シェアを高めている。
ねり製品については“フルライン・フルアソート”が販売の基本方針。グループ会社(山九水産、博多魚嘉)のそれぞれの特色を生かして、あらゆる販売チャネル・業態に合わせた商品を供給している。
今期はフジミツ単体で100億円、連結で140億円の売上高を目標にしている。
――ねり製品以外の商品は。
藤田社長 山口と福岡に拠点を持つローカルメーカーとして、地域の特性を生かした商品の開発に注力している。
地元の農家や漁協などとタイアップしながら、地域素材を加工して、その地域で販売するという“地域OEM商品”に注力している。当社の有する生産設備や商品開発力を最大限に生かした地域OEM商品のラインナップを今後増やしていきたい。
長門名産の“長州どり”などを扱う地元の深川養鶏農業協同組合とも提携している。鍋種の「鶏つみれ」の原料を国産鶏に変えたり、チキンナゲットや鶏スープなどを商品化して販売している。
韓国市場へ進出
――海外事業について。
藤田社長 中国での合弁事業は順調で、徐々に中国国内でのねり製品の販売が伸びてきている。このほど新たに、韓国の食品メーカーと業務提携して、韓国国内で揚げ蒲鉾などを販売する。9月に釜山支店を新設した。
韓国のねり製品市場は伸びている。また、韓国の大手食品メーカーのマーケティングや売り方に学ぶところもあると思う。最近では、油を使わない蒸し焼き製品なども人気がある。
将来的には中国や韓国、東南アジアなどアジア市場は日本の数倍のマーケットになる可能性があり、アプローチをしていきたい。
ねり製品の歴史や技術、商品開発力は明らかに日本が世界一。アジア市場に目を向ける必要がある。