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この人に聞きたい:第462回
(週刊冷食タイムス:14/10/14号)

素材のプロを貫き通す

(株)ノースイ 代表取締役社長  神田 至浩氏

(かんだ・よしひろ)昭和52年入社。平成11年取締役(大阪支店長兼水産営業部長)。16年から東京支店長。22年常務、25年専務、今年6月27日付で現職。昭和28年11月4日、和歌山出身。

メーカーの立ち位置も明確に

 6月27日付で専務から社長に昇格。入社以来、同社主翼の一方である水産事業に携わってきた。しかし「品質管理や加工技術など冷凍食品事業に学ぶことは多い」と素直に認める。神田社長は「素材のプロを貫く」と語る。

 ――社長就任から3カ月以上経過したが。
 神田 4月から杉田巌前社長と一緒に行動し、7月末で引き継ぎを終えました。6月末頃まで「消費増税の影響はそれほどない」というのが大方の見解でしたが、8月になると「増税で商売が厳しい」という声が増え、理由を聞くと「一部上場企業に代表されるような大手に勤める人は収入が増えているが、多くの中小零細企業に勤める人達は実質的に支出増となり、財布を握る女房殿が増税の負担を実感し始めたからだ」という。

 ――天候不順による生鮮野菜高の影響もある?
 神田 雨が多く、生鮮野菜の価格が乱高下しているものの、例え高くても野菜を摂らない訳にはいかず、その値差分が他の食品にしわ寄せとしてあるとも分析されます。冷凍食品や干物に影響が出ている、という見方もあります。

 ――ノースイの主力事業は水産品と農産品の両輪だ。
 神田 今の円安は相当堪えています。なかでも単価の張る水産物は在庫調整に時間が掛かり、高く買付け、安く売る逆ザヤ状態。10月以降価格(売価)を見直し、顧客に説明する必要があります。

 ――問題は顧客が値上げを受け入れてくれるかだ。
 神田 外食・料飲の顧客は人手不足と、それに伴う人件費の高騰が経営を圧迫。顧客から「値上げなどとんでもない」と言われることもありますが、こちらの事情もある程度は理解してくれており、今は「(値上げは)ちょっと待ってくれないか」という反応が圧倒的です。

 ――ノースイはメーカー、商社、卸の3つの顔を持つ。
 神田 私は国内外に工場を持つメーカーとしての立ち位置を明確にしていく考えです。水産、農産とも「素材のプロ」として専門性が認められている訳で、これを貫き通すことが我々の生き残る術でもあります。ただし水産については、原料・素材商売にこだわりつつも、もう少し加工品にシフトして付加価値を高める方向です。

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