この人に聞きたい:第464回
(週刊冷食タイムス:14/10/28号)
パンガシウスに期待大
Seafood Joint Stock Company No.1社 海外セールス・マネジャー エンウェン・トゥ・チャン氏
(NGUYEN THU TRANG)1985年生まれ、今年29歳。流暢な英語で明るく会社の未来像を語る。会社は1988年設立なので若干先輩。今回の来日も観光なし。唯一「築地の視察が楽しみ」と笑う。
競合するタイ、中国と差別化
日本アセアンセンターが先週東京で開催した「ベトナム展示商談会」に出展した有力水産加工会社、シーフード・ジョイント・ストック・カンパニー・ナンバーワン社。自社商品をアピールするエンウェンさんに聞いた。
――得意とする商材は?
エンウェン シーフード全般ですが、今は特にパンガシウス(東南アジアに生息するナマズの仲間の白身魚)に力を入れています。日本ではまだ普及しているとは言えませんが、新しい白身魚としての拡販に期待しています。
――水産加工品はタイや中国と競合する。
エンウェン 確かに水産加工品の競合国ですが、パンガシウスについてはベトナムに優位性があります。欧米では白身魚料理に欠かせない存在で、輸出の9割をベトナムが担っています。日本のスーパー「イオン」が、持続可能な養殖水産物の証である「ASC」(国際認証)のマークが付いたパンガシウスの販売をスタートしており、今後の普及に期待しています。
――No.1社は輸出専門?
エンウェン 日本の他、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、カナダなど欧米諸国、中国、シンガポールにも輸出しています。総生産数量の90%が輸出、残り10%がベトナムでの内販です。内販はスーパーの他、ロッテリアやピザハットなどファストフードチェーン、レストランなど。来年には内販比率が20%に倍増する予定です。
――魚の切身以外にパン粉づけしたフライ商品も多いが、パン粉は自社生産品?
エンウェン ベトナムに進出するパン粉は日系企業から購入しています。これにより日本市場の顧客が望む日本品質のフライ商品ができます。
――水産加工以外の商品には挑戦しない?
エンウェン かぼちゃ、オクラ、にら、れんこんなど農産品を原料とした衣付け商品も生産しています。
――No.1社という社名はインパクトがある。
エンウェン 私自身も気に入っている社名です。昔、社名の一部にNo.2とつけた会社がありましたが、消滅しました。やっぱりNo.1でないとね。今は人手による作業が多いのですが、機械化を進めて生産能力を高めることで、まだまだ売れると確信しています。