この人に聞きたい:第469回
(週刊水産タイムス:14/12/01号)
福岡以外の企業へ入会促す
全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会 会長 竹内 昌之氏
福岡、北九州地区を中心とした辛子明太子メーカーで構成される全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会(会長=竹内昌之かねふく会長)は、辛子明太子製品の過大包装や誇大・虚偽広告など消費者の信頼を損うような不当表示をなくすことなどを目的に1989年に設立された。
2010年4月からは設立20周年記念事業として「辛子めんたいこ表示・衛生管理士検定試験」を開始。今年4月に5回目の試験を実施した。
同検定試験は、福岡市や北九州市と連携して協議会が作成したガイドライン「辛子めんたいこ表示・衛生管理の手引き」を基に出題され、その内容についての理解力を問うというもの。辛子明太子の製造・販売に関わる人を対象に、業界全体の知識レベルの底上げを図るのがねらい。
検定試験以外にも、協議会では定期的な講習会や抜き打ちの試買検査による製品表示のチェック、DNA検査などを行政と連携しながら実施している。
竹内会長は協議会の取り組みについて次のように語っている。
協議会として大きな課題は抱えていないが、ひとつ挙げるとすれば、福岡県以外の地域で辛子明太子を生産している企業に会員になってもらうこと。大手水産会社や商社などを含めて働きかけをしていきたい。
現在は福岡以外の明太子の生産シェアが半分近くを占めている。博多をはじめとする福岡のメーカーだけでは明太子業界すべてを語ることはできない。大手中心に応分の負担と応分の発言をしてもらう必要がある。
間違った表示をすれば大きな問題になる。海外で生産する企業も含めて、全国規模で明太子を販売する人たちの意見を出してほしい。北海道のたらこ加工業者などにも呼びかけたい。
試買検査は贈答用や土産用だけでなく、全国各地の量販店などで販売されているが商品も対象に実施している。表示ミスなどの違反を見つけるだけでなく、抑止力としての意味合いが大きい。
協議会としては、引き続き検定試験などに取り組んでいく方針。