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この人に聞きたい:第473回
(週刊水産タイムス:15/01/05号)

築地から豊洲へ、物流などソフトが最大の課題

東京都水産物卸売業者協会 会長  伊藤 裕康氏

 

 ゴール(開場時期)が決まり、すべり出しは良いと感じているが、課題は山積。そこまでたどりつけるか心配な面もある。残り2年弱で何とかまとめ上げないといけない。大変な大仕事だ。

 移転に向けた課題は大別すると「ハード面」「ソフト面」「引越し」の3つが挙げられる。

 本体工事と別に民間が行う造作工事は、今聞くだけで1000件以上にのぼる。これらの膨大な工事を本体施設の工事とからめてどう進めていくか、調整が重要になる。東京都には遅くとも8月末までにすべての工事を終わらせてほしいと要望している。引越しなどの準備に追われるため、その頃に終わらないと開業に間に合わない。施設工事などのハード面は、計画通りに進めば何とかなると見込んでいる。

台車の試作など最適な物流模索

 問題はソフト。単なる移転ではなく、理想的な卸売市場の形を求めて移転する。卸7社の基本的な考え方は、物流や共用施設・設備などは共同で整備・運用していくというもの。荷降ろしや荷置き・荷さばき場などは共同で管理し、可能な限り効率的な物流をめざす。
 また、セリ場や荷置き場などのスペースは10.5℃の温度帯で整備することを卸7社で決め、すでに工事を発注している。食堂や会議室などの共用施設も共同で整備する。

 昨年9月には卸7社による共同出資会社水産卸ビジネスサポート(東京都中央区)を新設。この会社を通じて、共同事業のための融資を受けている。現時点の見積もりでは約80億円を借り受ける予定。

 物流やシステム開発などについては、担当者レベルの検討会をひんぱんに実施している。市場施設内のスペースの使い方や、物流で使うターレットに替わるパレット付き台車を試作するなど、どのような物流の仕組みがベストなのかを検討している。

 これら検討作業は、卸売業者だけでできるものではなく、仲卸業者、売買参加者、物流業者などと一緒に相談しながらまとめる必要がある。

 新市場における物流システムの運用や施設利用など一定の習熟期間が必要。本体施設の竣工後、来年4月頃から試験的な運用をしていかなければ間に合わないと思う。

 新市場を利用するお客さんにも、どのような仕組みになるかを早く案内する必要がある。少なくとも開場の半年前、5月頃には仕組みづくりを完了し、案内することでお客さんに不安を与えないようにしたい。

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