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この人に聞きたい:第485回
(週刊水産タイムス:15/03/30号)

自給率下がっても輸出すべき

マルハニチロ(株) 代表取締役専務  米岡 潤一郎氏

 

 東京水産振興会は20日、第120回水産振興のための講演会を東京・豊海の豊海センタービルで開催した。マルハニチロの米岡潤一郎代表取締役専務が水産物貿易の現状と課題について語った。

 米岡専務はマルハニチログループの北米事業について詳細に説明。北米事業が抱える課題や日本市場の位置付けなどについても言及した。

 また、移転価格の問題についても説明。「米国で1000円で売れるものを、日本向けに800円で売ることはできない。この問題がある限り、水産物を自由に持ってくることはできない。そのため、マーケットが弱いと買い負けという現象が起きてしまう」と指摘した。

 国を挙げて取り組む水産物輸出に関しては「自給率が下がったとしても輸出すべき」と語った。同社は5年前に輸出課を設立。現在の売上高は約50億円。「色々な物が輸出できる可能性があるので、積極的に取り組んでいきたい。また、荷受と連携して玉を確保していけば、今以上に早く成長が可能。浜の活性化にもつながる」と国内漁業にとっても輸出は重要と語った。

「浜の活力再生プラン」の成功を

 日本の人口減少が水産物消費に及ぼす影響についても懸念を示した。

 「人口約1.3億人で650万tの水産物(ラウンド換算)を消費しているが、人口がこの先1億人に減れば消費量は500万t。この需要を満たすために、何としてでも国内漁業(約380万t)を守る必要があり、業界全体で取り組まなければ将来はないと危惧している。輸入品はお金があれば買える。浜の活力再生プランをぜひ成功させてほしい」と期待を寄せた。

 米岡専務は「加工、流通までの仕組みとして、どのように水産物を供給できるのかが今後の課題。安心安全に加えて、持続可能性やトレーサビリティなど、付加価値をいかにつけられるかがカギ。知識・経験、知恵と情熱で水産業界を盛り上げていきたい」と力強く語った。

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