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この人に聞きたい:第488回
(週刊水産タイムス:15/04/20号)
ICJへの解釈判決も手段
同志社大学 法学部 教授 坂元 茂樹氏
(さかもと・しげき)関西大学卒。関大教授、神戸大学大学院教授を経て、2013年10月から現職。専門は海洋法などの国際法。1950年、長崎生まれ。
昨年3月、国際司法裁判所(ICJ)が現行制度での南極海での調査捕鯨の中止を命じる判決を下し、日本は敗訴した。
「ICJ判決はJARPAU(第2期南極海鯨類捕獲調査)が、国際捕鯨取締条約第8条のいう『科学的研究のための』調査捕鯨に該当しないというだけであり、調査捕鯨における到死的手法の全面禁止を命ずるものではなかった」。先月、都内であった調査捕鯨とICJ判決をめぐるシンポジウムで講演し、こう総括した。
その上で、「捕獲枠を算定するRMP(改訂管理方式)の適用で重要な要素となる『性成熟年齢』の算出に必要な情報は到死的調査によってしか得られないとする日本の主張が、IWC科学委員会で認められるかどうか、注視していく必要がある」と語る。
判決後初めて開かれた昨年9月のIWC総会を「反捕捕鯨国がIWC決議で科学委員会に様々な注文を行うパラドックス(逆説)が生じている」と指摘し、「IWCで起こっていることは、まったく奇妙なことがら」と問題視する。
日本は南極海での調査捕鯨について、捕獲頭数を約6割減らした新たな計画をIWCの科学委員会に提出済み。5月の科学委員会年次会合で議論される。
日本が今後とるべき戦略は――。「日本の新たな調査計画がいたずらに放置され、調査ができない事態が発生すれば、日本がICJに解釈判決を求めるべきだ」。
ICJは一審制で控訴は認められていないが、その判決が他方の紛争当事国によって正しく解釈されていない場合は、解釈判決を求めることができる。
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