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この人に聞きたい:第528回
(週刊冷食タイムス:16/02/23号)

家庭用事業部3年目に花開く

(株)ニチレイフーズ 執行役員家庭用事業部長  篠原 利和氏

(しのはら・としかず)昭和61年ニチレイ入社。甘えび焼売、本格炒め炒飯、上等洋食等の開発に携わる。平成25年4月1日から現職。昭和38年6月1日東京生まれ、今年53歳。東大農卒。

来期は“ロケットスタート”切る

 ニチレイの加工食品事業は4〜12月の営業利益が70%増、通期で26%増68億円と増益を見込む。家庭用をけん引する炒飯も100億円が近づいた。3月から米飯のテレビCMを打ち、来期は“ロケットスタート”を切る。

 ――家庭用冷食が好調だ。
 篠原 家庭用事業部が発足してからの2年は円安、原料高などで苦しい運営が続きました。3年目の今期に花が開いたのは、苦しい時期でも技術開発や設備投資などメーカーが本来やるべきことをやり続けた結果だと思います。

 ――「本格炒め炒飯」の売れ行きは?
 篠原 競合商品があれだけ売れているのに、まったく落ちていません。炒飯全体の売上げも100億円に近づいてきました。本格炒め炒飯は昨春の刷新に合わせ、値上げもしました。価格競争をしていないため、来期はたとえ数字が落ちたとしても高止まりするでしょう。

 ――夫婦2人シニアをターゲットにしている。
 篠原 これは量販店で狙う客層です。ちょっといいもの、価値のあるものを食べたい、ボリュームよりも適量に価値が置かれています。こうした需要に応えるのは、言葉にするのは簡単ですが、難しい事情がたくさんあります。

 ――というと?
 篠原 冷食業界はこれまで価格競争が激しかった分、大量生産でローコストオペレーションに振り切っています。“適量”や“旬の素材”といった新しい需要に対応するのが難しい。これらを実践しようとすれば、原料の仕入れから売場の作り方まで見直す必要が出てきます。とはいえ、少しずつ変えていこうと考えています。

 今春発売する「匠御菜(たくみおかず)」シリーズは、食卓で使いたくなるおかずとして、手作り感を意識しました。前評判が高く、新商品の中では配荷率が最も高くなりそうです。現状の制約の中ではいい商品ができたと思っています。

 ――来期はどう攻める?
 篠原 3月に大規模なテレビCMを打ちます。これは相当なボリュームになるでしょう。家庭用冷食の収益基盤である米飯をより確かなものにするための先行投資です。来期はロケットスタートを切りますよ。

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