この人に聞きたい:第530回
(週刊冷食タイムス:16/03/08号)
グループ唯一の鶏卵加工機能
日豊食品工業(株) 代表取締役社長 津久田 昭雄氏
(つくだ・あきお)昭和55年日本水産入社。首都圏家庭用営業部長、本社家庭用食品部長から平成23年福岡支社長。25年同社に転じ社長。昭和31年4月東京根岸生、横浜国大経済卒、59歳。
オムライスに特化し強さ掘下げ
熊本に本社を置く日本水産の100%子会社。オムライスなど日水の冷凍食品を生産するほか、製氷、営業冷蔵倉庫の運営、物流まで手掛けるユニークな事業展開。津久田氏は日水時代、家庭用食品部長として活躍した。
――鶏卵加工品の扱いは日水グループでも珍しい。
津久田 日水の家庭用「たまごふんわりオムライス」などはグループで当社だけが手掛ける商品です。以前は冷凍麺(そば、ラーメン)や冷凍野菜を扱った時期もあります。日水のカップdeレンジシリーズのラーメンも当社で生産しました。しかし、いまはオムライスに集約しています。
――オムライスはチキンライスから自社生産している。他にも色々できるのでは?
津久田 日水が今春リニューアルした家庭用「ほしいぶんだけほうれん草グラタン」はグループのハチカンなど複数で生産していますが、西日本向けは当社の担当です。
――冷食の事業規模は?
津久田 月間150〜180t、多い時は200t。年間ではおよそ2000t規模です。オムレツは季節変動がないので、稼働は安定してます。
――日豊食品の優位性は?
津久田 九州には元々養鶏場が多くあったことに加え、食肉も野菜もあって産地が近い。新鮮な原料を安定調達できることは当社の強みです。大きくない分、小回りも利く。
――タマゴ料理は老若男女、誰にも好まれる。
津久田 そう。しかも当社のオムレツは袋ごとレンジ調理できるので、単身者にも便利です。タマゴ加工品を長年手がけてきたので鶏卵加工の知見の蓄積があり、業務用需要家や生協などからの受託生産も結構あります。よりおいしいもの、使い勝手がいいものができるよう、技術改良も進めています。
――例えば?
津久田 介護食用「おいしいやわらかたまごそぼろ」はUDF区分2(歯ぐきでつぶせる)の柔らかさだけでなく減塩のポイントもあります。
――他にも色々ある。
津久田 製氷は南阿蘇水系の天然水(伏流水)を利用。冷蔵庫は本社のある城南、熊本市内の近見事業所と大分事業所があり、F級・C&F級・C級合わせて1万9000t。地域の得意先からは保管、物流面の存在感も評価されてます。