この人に聞きたい:第578回
(週刊冷食タイムス:17/02/28号)
後継の育成に重点置く
(株)ショクカイ 代表取締役社長 太田 賢吾氏
(おおた・けんご)中国・大連で飲食店を経営後、ショクカイに入社。平成14年3月常務、平成24年4月から現職。千葉県野田市出身。昭和45年7月生まれ、46歳。私立武蔵高等学校卒。
弁当給食に次ぐ柱づくりも
「同じ品質をどこよりも安く、同じ価格でどこよりも良い商品を」をモットーに、弁当給食の事業を拡大するショクカイ。ファンド大手と2015年7月に資本業務提携した。太田社長に現在の取り組みなどを聞いた。
――ファンドの出資を受け入れてから変化は。
太田 ファンドと月1回程度、役員会で顏を合わせるだけです。拍子抜けするほど変化がありません。資本と経営の分離はしっかりしています。事業の勢いを止めないことが出資元の希望であり条件です。
――先月から代表取締役常務に田端智弘氏が就任した。
太田 彼は当社で長年営業を担当してきました。代表取締役常務に就任後、彼が実質的に当社内で中心的な役割を果たしています。私は昨年後半から運営会議にもあえて出席していません。
会議の結果について報告を受けると、「何でそういう判断になるのか」と思うこともありますが、教育期間だと考えています。
――内心苦しいはず。
太田 私から指示を受けている限り、彼らは決して当事者になれません。黙認し、彼らが下した結果に対してその責任をとらせます。今は新体制づくりに重点を置かざるをえませんが、増収増益は必達です。
――成長は続いている?
太田 2016年12月期売上高は4.3%増182億300万円となりました。弁当給食ルートが売上げ構成比の9割以上を占めます。
量販事業(惣菜ルート)は15.9%増9億1000万円で着地しました。それぞれ伸長しています。
――量販事業を2本目の柱にする計画のはず。
太田 そのために売上げは倍々増で伸ばしたいところですが中々難しい。弁当給食の場合、カタログを配り、価格にメリハリをつけ他社と差別化を図ることができますが、量販事業は同様にいきません。柱にするには時間がかかりそうですが、撤退する理由もありません。次の柱を模索することも考えられます。
――改めて聞くが、ファンドと提携して良かった?
太田 これからファンドから様々な提案があるかもしれないという不安と期待を抱いています。