この人に聞きたい:第604回
(週刊水産タイムス:17/09/11号)
北欧流ビジネス、知ってほしい
日本レロイ(株) 代表取締役社長 小井土 慶太氏
(こいど・けいた)1976年2月生まれ。神奈川・横浜市出身。4〜11歳はアイルランドで育つ。英国・エジンバラ大学大学院で哲学を学んだ。08年レロイ・シーフード・グループ入社。
ノルウェーの水産大手レロイ・シーフード・グループの日本法人として2009年設立。設立時より社長を務めている。
13年には在日ノルウェー商工会議所会頭に就任。ノルウェー国籍以外で会頭になるのは初めての快挙である。
16年4月には念願だった経済同友会の仲間入りを40歳で果たした。駐日ノルウェー王国大使の協力もあり実現した。日本の経済界のトップとの懇親に努めている。
「北欧、特にノルウェーについて、日本企業にもっと知ってほしい。両国の架け橋的存在になりたい」というのが同友会入会の目的。
海外へ進出する際に、現地パートナーと一緒にそのマーケットに合ったビジネスを展開するのが北欧のビジネススタイル。その根底にはヴァイキングの精神がある。
「公平性を重んじ、その国の文化や習慣を理解することを第一に考える。自分たちでできないことは、信頼できるパートナーに任せる。じっくりと長期的な視点で取り組むのもノルウェー流」。
社長就任時は弱冠32歳。前職は米国大手企業のマーケティング責任者で食肉を担当。水産業界は初めてだったが、「若い人に重要な仕事を任せるというのもノルウェーの企業らしい」と振り返る。
現在、ソムリエをめざし猛勉強中だ。サーモンとワインには共通点が多いと指摘する。
「“テロワール”というフランス独特の概念がワインにある。同じ品種のブドウを原料にしても、育つ環境(土壌や気候、日当たりなど)によってワインの味わいや風味が全く異なるものになることを表す。サーモンも全く同じ」。