この人に聞きたい:第610回
(週刊冷食タイムス:17/10/24号)
企画で冷食市場盛り上げる
(株)日本アクセス 代表取締役社長 佐々木 淳一氏
(ささき・じゅんいち)伊藤忠商事1979年入社。アセアン・東南アジア総支配人を経て昨年4月1日付で日本アクセス顧問、同年6月から現職。香川県出身。55年11月生まれ、61歳。神戸大卒。趣味は読書。「歴史小説が好み」。
世界市場開拓にAG研生かす
日本アクセスの佐々木社長は冷凍食品が持つ潜在力を高く評価している。フローズン・アワードにかける意気込みや、AG研の取り組み方針等を聞いた。
――最強の冷凍食品を決める消費者キャンペーン「フローズン・アワード」が今月スタートした。
佐々木 今年で5回目となります。「継続は力なり」で、前回は87万件以上の応募・投票数を集めました。キャンペーンのサブタイトルで「10万人が選ぶ」とうたっていますが、「100万人が選ぶ」に実態は近づいています。当社はこの企画を通じて冷凍食品の良さを消費者にアピールします。さらに、キャンペーンの投票結果を販促に生かし、メーカーと得意先に評価されるイベントにします。
――冷食は実力がついてきた。
佐々木 日本冷凍食品協会の会長を務める伊藤滋マルハニチロ社長と懇談すると「冷凍食品は着実に伸びている」という話題になります。冷凍食品は時短や簡便、安全・安心、おいしさに応えることができる、との理解が消費者の間に徐々に広がってきました。コンビニエンスやドラッグストアの冷凍食品売場も広がりつつあります。当社は卸として機能を発揮し、売場提案をはじめ、冷凍食品啓蒙マンガの発刊など様々な企画を実行しています。フローズン・アワードは全国のスーパー約5000店舗で投票を呼びかけます。
――伊藤忠商事ではアジア駐在が長かった。
佐々木 計19年間海外に赴任していました。中国総代表補佐、総代表として4年間、アセアン・東南アジア総支配人(シンガポール駐在)として5年間、現地にどっぷり浸かり暮らしていました。アセアン・東南アジアは若者が多く、中間階級者が増え、市場は量から質を求める成長段階です。
――日本との違いを大きく感じるはず。
佐々木 伊藤忠で合成樹脂営業を担当していた頃、大阪の町工場ではカーペット、ストロー、ハンガーなどを製造していました。しかし日本は今そうした製品を輸入に頼っています。一方、食は地方ごとに味の違いがあり、国内製造が全国各地に残っています。当社機能を発揮し、各地の優良食品の販路を国内外に広げていきます。
――世界市場開拓に、メーカーと組織するアクセス業務用市場開発研究会(AG研)も生かせるのではないか。
佐々木 はい。例えば、中国人のし好に合うメニュー開発が可能と考えています。現地企業とパートナーを組み、出口がはっきりしたビジネスモデルを構築します。