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業界交差点

この人に聞きたい:第613回
(週刊冷食タイムス:17/11/14号)

凍菜から洋菓子へと大転換

浙江新迪嘉禾食品有限公司 COO総裁  陳 維氏

(Chen Wei)将来を見据えて堂々と語る姿は実に頼もしい。かつて冷凍野菜業界内で囁かれた「杭州を代表する凍菜会社の経営トップ4大美女」のひとり、として知られる。「もう冷凍野菜には戻れませんね」と静かに微笑む。

わずか5年で売上げ3.5倍

 中国の浙江新迪嘉禾食品は事業の柱を冷凍野菜から冷凍洋菓子に転換し、過去5年で売上高を3.5倍に伸ばした。陳維総裁に経緯を聞いた。

 ――冷凍野菜から冷凍洋菓子の生産に大きく舵を切り、成功を収めていると聞いた。
  当社の前身である浙江中大食品は1994年に冷凍野菜や冷凍果実の生産からスタートした国営企業で、対日向け輸出がメインでした。その後、冷凍のケーキやベーカリー、パスタ、ピザなど調理冷凍食品分野にも進出し、業態を大きく転換しました。冷凍野菜がメインだった時代はほとんどが輸出でしたが、今は9割が中国国内販売と様変わりしています。

 ――なにを転機に方向転換したのか。
  07年に現工場の土地を購入したのですが、将来像を描いた時に「冷凍野菜だけでの発展は無理だろう」と判断しました。この時点で「冷凍食品」という軸を決めていました。新工場は10年に冷凍のケーキや飲茶の生産を始め、12年から本稼働しましたが、大手の外食産業やブランドメーカーのOEM生産だけでは目標とする利益はとれません。そこで5年かけて自社ブランドを中心に転換していくことを決意しました。

 ――簡単な事ではない。
  冷凍野菜は畑での栽培から食卓にあがるまでの時間がかかり粗利が悪く、事実上撤退しています。いま一番売れているのがドーナツとケーキ。パン生地のラインはオランダ、アメリカ、ドイツ、イタリアなどから設備・機器を導入して、機械化したライン。ケーキ類は日本製の機械を導入しています。ただ差別化したケーキを作るには、どうしても人手が必要になります。ホテルやコーヒーチェーンで人気があります。

 ――業態転換した成果はどんな形で表れている?
  冷凍野菜が中心だった頃のピークの売上高は1億人民元(約17億円)でしたが、今年は3億5000万人民元(約60億円)と5年で3.5倍、もちろん利益も大幅に改善しています。価格交渉に疲れ果てた冷凍野菜事業には、もう戻れませんね。今はBtoB(法人顧客)が主体ですが、今後は積極的にBtoC(個人顧客)にも取り組んで行きます。パンはこれまでの1〜2級都市から、3〜4級都市へと攻め込みます。

 ――本社事務所と工場の間の庭に「再出発」の文字がある。
  今年のスローガンです。新しい事業が軌道に乗ったところであり、これからが本当の意味での「再出発」になります。

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