この人に聞きたい:第625回
(週刊冷食タイムス:18/02/13号)
女性管理職2021年で10%に
(株)ニチレイフーズ 人事部長 日比野 栄司氏
(ひびの・えいじ)平成3年ニチレイ入社、関東営食品一課。17年ニチレイF管理部マネジャー、22年ニチレイ人事企画GL、26年ニチレイF人事部部長、27年4月現職。昭和63年関西大学史学地理学科卒、40年7月生、52歳。
男性上司の意識改革も必要
女性が職場で活躍できるようにと、食品大手メーカー6社が共同でセミナーを開いた。ニチレイフーズはこの活動に積極的に参画している。
――メーカー共同の女性活躍推進セミナーに昨年に続いて参画。ニチレイフーズの女性管理職は?
日比野 正社員の中で女性社員は30%弱いますが、このうち課長以上の管理職はわずか3.8%しかいません。そこで当社では2021年までにこれを10%に引き上げようと取り組んでいます。
――実現させるためには?
日比野 女性社員を対象とするセミナーでスキルアップを図ったり、あえて異動させて経験を積ませるようなこともしています。女性社員は往々にして人事が固定化しがちなので。また女性社員の上司は男性が圧倒的多くを占めますが、男性管理者にも女性社員の能力を活かすための研修などを実施しています。
――女性活躍推進セミナーは2度目だが、成果や反応は?
日比野 昨年の第1回開催後、社内の反響が非常に大きく「次は私が出席したい」という声が多く出ました。そこで今回、当社からの参加は公募制としましたが、参加させた女性8名は総合職だけでなく、工場限定の技能社員からも参加しています。昨年参加した女性の所属部署では上司の意識も変わったと報告を受けています。また、役職登用試験に手を挙げる女性社員が本当に増えました。
――同じ食品メーカー同士という共通項で、同じ女性同士という話しやすい環境もプラスした。
日比野 昨年のセミナーでも基調講演だけでなく、グループに分かれたワークショップの議論が非常に勉強になった、と聞いています。今年の参加者も大いに刺激を受けて欲しいと思います。
――ニチレイは持株会社にもグループ事業会社にも人事部門がある。ニチレイロジグループでは独自に女性活用セミナーを開催している。グループ間の連携は。
日比野 グループ社員が働きやすい環境を整えるため、グループ各社の人事部門同士で話し合いは進めています。いいところはグループ間で共有します。
――ニチレイFは片岡恵美北海道支社長、宮本亮子森工場長(北海道)、相庭理香子業務用広域営業部長をはじめ、女性を起用。女性を大事にしていると思うが。
日比野 いや、まだまだ少ないですね。もっと女性を起用する企業風土にならないと。そのためには男性も変わらなければ何も変わらない。働き方、考え方を変えて成果を出さないと未来はない。