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業界交差点

この人に聞きたい:第638回
(週刊冷食タイムス:18/05/22号)

残業時間55%の削減に成功

(株)コープデリバリー 代表取締役社長  花村 省吾氏

(はなむら・しょうご)1983年生協しずおか共同購入センター入職。96年店舗配属、2014年1月(株)コープデリバリー出向、6月から現職。1965年(昭和40年)1月20日生まれ、53歳。趣味はロードバイクなど。静岡市在住。

浮いた原資は社員に還元

 生活協同組合ユーコープの子会社で、神奈川県内4カ所にある物流センターを運営する(株)コープデリバリー(本社座間市)は3年以内に残業をゼロにする目標を掲げた。1年目の昨年度は55%の削減に成功。浮いた原資は社員に還元し、過去最高の売上げ、経常利益を更新した。

 ――残業削減の取り組みについて聞きたい。
 花村 物流・倉庫業界は残業が当たり前の世界。当社はこれまで年間1200万〜1400万円の残業代を支払っていました。これを固定費と考え、残業予算に対して減らした分は事業所単位で均等に分配しました。なので、労働時間が減っても給料は下がりません。昨年度は1人当たりの平均残業時間を前年度の月16.7時間から7.7時間に減らし、500万円超の残業代を削減。1人当たり約17.5万円を還元しました。

 ――どうやって?
 花村 すべての業務を図式化し、この業務は誰と誰ができるのか、といった具合に“業務の棚卸”をしました。1つの業務を2〜3人ができるようにして多能工化を進め、この人でなければできないという仕事をなくしました。こうして業務の代行を可能にして定時で退勤しやすくしたほか、有給休暇の完全消化も実践しました。昨年度は社員39名のうち、6割が5連休を取得し『家族に喜ばれた』と嬉しい反応が返ってきました。

 ――成功の秘訣は?
 花村 残業ゼロは目的ではなく、原資を効率よく社員に還元し、仕事と家庭の両方を大事にして相乗効果を上げ、個人が幸せになるための手段です。

 自分たちの会社は自分たちでデザインするよう働きかけ、所長をリーダーに、主任や班長らでプロジェクトチームを作り、そこで出たさまざまな提案の実践を積み重ねて残業を減らしました。

 ――人手不足は業界の課題だ。
 花村 昨年、「いつでもワーク」という取り組みを開始しました。決まった曜日や時間に働けない人が40名ほど登録しています。シフトに欠員が出た場合、登録したメンバーに連絡すると、9割は埋まります。今は連絡を手作業に頼っているため登録を40名に制限していますが、開発中のアプリを使えば100名以上に対応できます。

 ただし、たまにしか勤務しないので作業手順を忘れてしまいがち。そこで仕事の内容を動画にして「You Tube」にアップし、事前に予習してもらう取り組みを準備しています。動画の撮影は社員が楽しみながらやってくれていますよ。

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