この人に聞きたい:第647回
(週刊冷食タイムス:18/07/24号)
子どもの頃から会社の存在近かった
日東ベスト(株) 取締役健康事業部長 内田 真帆子氏
(うちだ・まほこ)昭和女子大学で建築を学び、その後内装の設計などを15年。幼少の頃から身近にあった同社に12年前転じ、新事業だった介護食担当。先月26日付で取締役。昭和46年6月山形で生まれ千葉で育つ。
女性が働きやすい環境考えたい
日東ベストの介護食事業を立ち上げ、業務を推進するため全国の得意先販売店とも接点が多い。先月の株主総会で取締役に。内田淳会長の三女。
――内田家の三女が取締役になったと話題。始めは他業界にいた。
内田 幼少の頃から会社の存在が身近にあり、自然と「会社と共に生きていくんだろう」と漠然と思って育ちました。進路を決める頃、三女の自分がそう思うのはおこがましいのかもと考えるようになり、結局、生活美学科で建築を学び、卒業後は建築設計の道へ。クライアントの要望を聞き、設計し、業者と折衝して価格交渉、施工現場もみて、「ものづくり」の面白さのとりこになっていました。昼夜の別なく仕事をしていましたね。
――でも結局は、日東ベストに転ずることになった。
内田 設計の仕事が好きで続けていましたが、それでも幼少期からの“思い”が自分の中に確実に残っていました。姉2人が嫁いだ後、直系の誰も残らなくていいんだろうか、でも自分は女性だし……と本格的に悩み始めました。考え抜いて「やめておけ」と言われたらどうしようと思いつつ、父に「入りたい」と告げたところ、両親が泣いて喜んでくれました。12年前です。公正さを慮(おもんぱか)る父の計らいで、通常と同じ採用試験を経験しています。
――入社後は?
内田 最初は惣菜の営業です。人と接することが元々好きなんですね、こちらもお客様と接する仕事で面白かった。その後、当社でも新しい事業となる介護食を担当。給食や外食では社内に先輩が多数いますが、介護食は始まったばかりで、商品作りも販促提案も全てがチャレンジ。ユーザーの意見を聞き、問屋さんを回り、工場、開発とも調整しながら作り上げていく。前職とも通じる「ものづくり」が非常に面白いと感じています。
――全国の業務用問屋の展示会によく出ている。
内田 営業提案も含め、各地の販売店を回らせて頂いてますが、当社と古くからのお付き合いのところが多く、皆さんに大変よくして頂いています。本当に感謝です。
――内田会長の直系、しかも業界で数少ない女性役員の誕生。
内田 垣根なく、社内の“御用聞き”だと思って活用して欲しいと思っています。また働く女性の新しい道を切り開く役目も痛感していて、先輩女性社員からも「良かった」「新しい道を切り開いて」と言われます。子供を持つ“ママ営業”がどうやったら働きやすくなるか、いろいろ勉強して取り組みたいと思っています。