この人に聞きたい:第650回
(週刊水産タイムス:18/08/20号)
北米でのさらなる成長めざす
日本水産(株) 執行役員北米事業執行委嘱 浅井 正秀氏
(あさい・まさひで)
6月27日付で日本水産の執行役員北米事業執行委嘱兼ニッポンスイサンU・S・A・社長に就任。水産・食品事業において生産・販売の両面で最重要拠点と位置付けられる北米市場を任せられた。
「先達から引き継いだ北米事業のさらなる成長と収益力強化をめざす」と抱負を語る。
1984年同社へ入社。すり身やサケ、カニなどの国内営業中心に従事してきた。すり身との関わりが最も深い。
入社当時、新入社員全員が以西船での乗船実習を約3週間行っていたが、すり身課所属の同氏は北洋のすり身母船に約6カ月間乗船。すり身生産を体に染みこませた。
労働組合専従(5年間)を経て、99年からは北米の水産加工会社ユニシー社に約5年駐在した。ロシア産水産物の買い付け・販売を行う横浜通商の社長も2年務めた。
すり身、魚粉・魚油、飼料を扱う水産事業第三部長を経て、17年1月にユニシー社の筆頭副社長に就任。急務となっていたユニシー社の再建に取り組み、徹底的なコスト削減とマインド改革、必要な設備投資を行った。
16年の業績はかなり厳しかったが、17年は黒字化し、再建への方向性が見えてきたという。
「ダッチハーバーの工場を中心に無駄を排除し、筋肉質になってきた。まだ道半ばなので、気を緩めることなく、継続していく方針。良い意味で緊張感のある1年半だった」と気を引き締める。
京都大学農学部水産学科卒。微生物研究室で海洋細菌を研究していた。
在学時は体育会のカヌー部に所属し、全日本選手権優勝、インカレ優勝、国体出場(2回)と大活躍した。1962年、名古屋生まれ。