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この人に聞きたい:第655回
(週刊水産タイムス:18/09/24号)

夢のようなもずくで恩返し

大関食品(株) 代表取締役  西川 仁氏

(にしかわ・ひとし)東京農大農学部醸造学科卒業後、大手食品会社などを経て、26歳の時に家業の同社へ入社。25年以上、もずく製品の製造販売に従事。昭和42年生まれ、山梨・甲府出身。

 山梨県甲府市に本社を構える老舗食酢メーカー。創業は大正3年(1914年)と100年以上の歴史を刻む。カツオエキスなどで下味をつけた「大関うま酢」やビネガードリンクが主力製品だが、食酢メーカーならではの調味液を使った味付けもずく(袋入り)を30年以上前から販売している。

 2010年からは沖縄の知念漁協と連携し、生もずくの扱いを強化している。沖縄県の産地を訪問し、採れたてのもずくを食べて衝撃を受けたという。

 「その時食べたもずくのおいしさをどうにかして消費者に届けられないか」と試行錯誤してきた。調味液を別添した生もずくを毎年改良し続け、思い描いてきた理想に近い生もずくがこのほど完成し、「夢もずく」として発売開始した。

 同社が扱う生もずくは、知念漁協で採れた完熟もずくのみを使用。水揚げに立ち合い、生育状況や熟度を見極めて選別すると、基準を満たした完熟もずくは全収穫量の1%程度しか残らないという。また、もずくに傷が付かないように洗浄には細心の注意を払い、計量・充填はすべて手作業で行う。

 「夢もずく」は1%の希少な完熟生もずくを、水揚げ後1時間以内にリキッド凍結機で急速凍結している。「採れたてのもずくをそのまま食卓に」が開発コンセプト。
 「まさに夢のような究極の生もずくになった」と自信を示す。

 もずく製品の製造・販売に約25年間従事してきた同氏は、もずくや産地に対する思いは強い。

 「産地の名前を入れても恥ずかしくない品質のもずくでなければ販売できない。良い製品を販売して、産地に恩返ししたい」と語る。

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