この人に聞きたい:第657回
(週刊冷食タイムス:18/10/09号)
経営危機から立ち直り増収維持
(株)ピアット 代表取締役社長 横田 真太郎氏
(よこた・しんたろう)学卒後上京しTV局の大道具、居酒屋、家屋解体業など。縁あって平成元年同社入り。20年取締役営業部長。23年社長。昭和38年5月名古屋生まれだが、中3で大阪に。東洋食品工短大卒。子供3人。
学校給食で日本一めざす
東日本大震災の8月に社長、就任直後に経営危機が判明。金融からの預金凍結などどん底を味わったが、売上げはV字回復。この5年は連続増収。若い社員が増え活気みなぎる。
――前7月期も増収を確保。
横田 自然災害が相次いでいるが、幸い売上げは5期連続増収となり、社員には2年連続決算賞与を出し、配当もしています。
――会社が生き返った?
横田 大変厳しい環境ですが、社員が状況を理解し、一生懸命頑張ってくれています。社長に就いたのが東日本大震災の2011年8月。1週間たってさてこれから、という時期に経営が危機状態になっていることがわかり、それからの1年間は記憶にないほど。
――倒産すれば社員が困る。
横田 毎日どうしようか、と。しかし商品は供給できたので震災需要も取り込み、全業態、全エリアとも売上げを伸ばせました。売上げは伸び、利益も出ているが、ただ、負債もあったので、年末の金融回りでは預金が凍結され、解除していただくまで大変でした。
――その後、負債を一掃した。
横田 (3期前の)第35期でウミを出し切り、決算もきれいに。7月期末の第37期も増収でした。あと3年で40期の節目。次の体制も考える時期なので、役員を3名から5名に増員。しかし全員が営業畑なので石塚暁部長を新設した管理部の部長にし、内部固めを任せました。9月には新入社員3名を加え、40名に拡充しました。
――学校給食に強いのがピアットの特徴。
横田 業務用の様々な業態に取り組む問屋は多いが、我々は学校給食に特化し、“学校給食で日本一”になろうとめざしています。売上げの78.3%は学校給食。総売上げでは上が一杯いるが、学校給食の売上げでは当社が上位。日本一も夢物語ではありません。
――大阪太平商事とのグループ連携を進めているが。
横田 大阪太平商事(堺市)は大阪南部で学校給食の素晴らしい市場を抱えています。両社で既に商品開発、販売面の連携を進めています。(3年後の)第40期にはグループで80億円を計画。さらに北海道から九州沖縄まで販売・供給を実現するため意見が合う同業卸と全国ネットワーク化を考えています。具体的にはこれから。
――学校給食のためには…。
横田 児童生徒の夏休み対策も重要。休み中に十分な食事が摂れずやせる子供たちがいる。そこで学校給食でなんとか役立ちたい。高校給食の普及推進にも取り組んでいます。学校給食で生きている我々がやらなければ。頑張ります。