この人に聞きたい:第661回
(週刊冷食タイムス:18/11/06号)
新中計、冷食は期待分野
マルハニチロ(株) 取締役専務執行役員 家庭用冷凍食品ユニット長 田島 正人氏
(たじま・まさと)昭和47年日魯漁業入社。平成19年東北支社長、23年マルハニチロ食品取締役、26年マルハニチロ常務冷凍食品ユニット長などを経て今年4月から現職。昭和28年8月13日生まれ、65歳。函館出身。
新生産管理システムで精度向上
マルハニチロは中期経営計画「Innovation toward2021」を今年度からスタートしている。加工食品事業の中で冷凍食品は柱の1つ。「積極的に取り組む」と今年4月から家庭用を担当する田島専務は力を込める。
――新中計がスタートした。
田島 食品の中では成長が期待できる分野として冷凍食品、介護食、化成品があります。その中でも特に期待が高いのが冷凍食品であり、より積極的に取り組んでいかなければならないと思っています。
――進捗状況は?
田島 マルハグループ本社とニチロの経営統合から11年。一本化に向けていろいろありましたが、新中計ではこれまでできなかったことに取り組もうと考えています。重視していた生産の“見える化”に向けて新しい生産管理システムを直営7工場に導入しました。次にグループ工場にも展開する予定です。生産と販売で別々だった損益管理も一本化して全体でコントロールできるようにしました。これを単品にまで落とし込み、これまで以上に精度の高い経営判断ができるようになると期待しています。
――新石巻工場の状況は?
田島 前年度は稼働初年度ということもあって熟練度が上がらず、思うような生産ができませんでしたが、後半から期待していた生産ができています。いち早くプリフライ商品を生産する中心的な位置づけにしたいと考えています。
――家庭用は弁当商材が多い。
田島 弁当のおかずが食卓のおかずやつまみにも使われています。我々よりも生活者の方が賢く活用していますので、これは継続します。弁当商材にはMSCやASC認証の素材を使っていることがこの先強みになるでしょう。おかず系はトライ&エラーの繰り返しの中で新しい成果をつかみ、次の開発に活かすつもりです。
――コンビニやドラッグストアの冷食が伸びている。
田島 今年からCVSの専門部署を設けて、開発も担っています。スピードが求められるビジネスモデルのため、迅速で小回りを利かせなければ、得意先の要望には応えられません。
――今秋の新商品の動向は?
田島 「王様のソテーピラフ」は評価が高く、新商品の中では配荷率が最も高いですね。バターや白ワインなどを使うことで、洋食店で提供するようなピラフに仕上がりました。他社製品とも差別化できていると自負しています。