この人に聞きたい:第685回
(週刊冷食タイムス:19/05/07号)
4社統合に一体感生まれる
(株)トーホー・北関東 代表取締役社長 前田 照博氏
(まえだ・てるひろ)1976年トーホー入社。主に卸売部門を歩み、01年東海地区統括支店長兼名古屋支店長、08年執行役員。13年ヤジマ社長、14年トーホー・北関東取締役、17年6月から現職。1958年3月9日生まれ、61歳。
「道の駅」の惣菜攻略へ
トーホー・北関東(宇都宮市)は、トーホーグループが北関東戦略を推進する上で要となる重要な拠点。社長就任から約2年となる前田照博社長に聞いた。
――5月、創業70周年の大きな節目を迎えた。
前田 旧昭和食品が昭和24年に発足してからの70周年です。平成27年にトーホーグループのトーホー・群馬(旧桂食品工業)、トーホー・カワサキと合併して現社名に改称しています。29年10月にヤジマ(茨城県)と合併し、4社統合会社に変わりました。今年4月現在、宇都宮本社の他、6支店(宇都宮・簗瀬・那須・前橋・水戸・筑西)、2営業所(つくば・柏)、1センター(広域営業部加須センター)体制となっています。
――前1月期の業績は。
前田 売上高は前年比2.3%減の165億9600万円と減収に終わりました。後継者難に伴う閉店・廃業も少なくなく、既存店客の減少が響いています。加えて北関東の観光地区は宿泊客が減っていることも減収要因のひとつです。簗瀬支店のC&C(キャッシュ&キャリー)はまずまずでしたが、那須支店(旧黒磯支店)は厳しかった。水戸支店は前年並みの売上高だったものの、利益で貢献。つくば営業所は2ケタ増、柏営業所は2%の増収でした。今期は167億5000万円をめざします。
――2月に中食委員会を立ち上げて、中食業態を強化している。
前田 大規模スーパーの中食はもとより、今は「道の駅」の惣菜売場なども視野に入れて研究しています。弁当店ルートも攻め込みたいですね。
――宿泊客の減少は痛い。
前田 日光の国宝「陽明門」が「昭和の修理」から44年ぶりに本来の輝きを取り戻して竣工したのが平成29年3月。一時は大勢の観光客で賑わいましたが、交通の便が良くなったこともあり、時代は日帰り観光へと流れています。
――旧昭和食品分の売上高比率はどの位あるのか。
前田 今は60%を切るまでになっています。統合会社の「見えない壁」を取り払うため、支店長や営業所長を入れ替えた他、6支店合同の研修会を行い「風通しの良い会社づくり」に取り組んでいます。会社に一体感が表れ、従業員ひとり一人の成長も感じており、その成果は少しずつですが数字にも表れてきています。5月の改元で「令和」となり、当社も持続的成長が遂げられるよう前進していきます。本社とつくば営業所に女性係長が初めて誕生しました。残業時間の削減、有給休暇の取得率向上にも取り組んでいます。