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この人に聞きたい:第689回
(週刊水産タイムス:19/06/03号)

現場を意識したドローンを

テラドローン(株) 海外事業開発 兼海洋ソリューション事業リーダー  常信 敦嗣氏

(じょうしん・あつし)兵庫県神戸市出身、東京大学工学部卒。個人投資家、コンサルタント会社勤務を経て、今年2月に入社。海外における新規拠点開発、ビジネスパートナー開拓も担う。

 テラドローンは4月に漁業分野におけるサービス開始を表明。ヘリコプターの代用として遠洋漁業におけるドローンの魚群探査を提案している。ドローン操作、データ分析の各専門スタッフが同乗することで年間5000万円のヘリ運用コストが3分の1に抑えられる試算だ。秋には実際の遠洋漁業における実証実験を開始予定。事業はいよいよ正念場を迎える。

 常信氏は「ドローンによって解決できる課題はたくさんある。技術的にもそれが可能となった」と強調した上で、「漁業には専門的な知識・ノウハウが不可欠であり、新たな技術に対し保守的な傾向があるが、現場ニーズに的確に応えることで漁業者が導入しやすいサービスを提供したい」と話す。

 同社ドローンサービスの強みは低コストと圧倒的な環境耐性。IP67規格に準拠しており、強風や潮風、降雨、降雪、高湿度、ほこりにも対応できる。「現場で使われる運用」を念頭においている。最終的な目標は漁業者の増収とリスク軽減であり、ぶれることはない。

 「ヘリと同等の機能を持たなければ真の意味での代用とならない」とし、現在も漁業者へのヒアリングに多くの時間を割き、更なる改良をはかる。

 仕事においては常に「挑戦」を忘れない。テラドローンは積極的な行動による失敗を推奨する環境にあり、社風が水に合っているという。「会社には自分よりタフな仲間が数多く在籍する。サービスが定着するまでには失敗も多いだろうが仲間とともに今後も課題解決に尽くしていく」。国防分野における海上保安でも同社ドローンサービスの活躍が注目されている。

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