この人に聞きたい:第690回
(週刊冷食タイムス:19/06/11号)
ベトナムの冷蔵倉庫を増設
メイトウベトナム 社長 加藤 貢市氏
(かとう・こういち)学卒後、地方銀行勤務等を経て名糖運輸入社。本社営業部から2015年3月ベトナム赴任、昨年7月から現職。岐阜県出身。1968年9月生まれ、50歳。金沢大経済学部卒。中学、高校ともハンドボール部。
冷凍の保管需要に応える
名糖運輸が85%出資するベトナム現地法人MEITO VIETNAM(メイトウベトナム)は、寄託需要が収容能力を上回る状況となっている。
――第一冷凍冷蔵倉庫(収容能力1万t)、第二冷凍冷蔵倉庫(同2万t)とも荷が一杯だ。
加藤 第一冷凍冷蔵倉庫を2014年6月に立ち上げた当初から貨物が一杯で、第二冷凍冷蔵倉庫を建てるのは絶対条件でした。第二が完成するまで、寄託を断ることもありました。第二が2017年10月に完成、11月から稼働し既に満庫です。そのため、通路スペースにも在庫する状況となっています。冷凍の寄託要請が多いことに対応し、第一の部屋のひとつをF級(冷凍)からC級(冷蔵)に今年4月切り替えました。
――第一、第二の蔵の内訳は。
加藤 第一がF級4室、C級1室、第二がF級4室、定温1室となっています。保管品は第一の場合、魚を中心とした原料が多く、そのほか畜肉、凍菜、C級に乳製品や果実などを保管しています。第二も原料系が大半で、定温庫には粉乳などを収めています。荷主の大半がローカルです。
――通路スペースにも在庫する状況では、増設や新設が必要ではないか。
加藤 第二冷凍冷蔵倉庫の増設を行います。増設の規模は7000〜8000t程度で、着工は7月。来年2月には増設スペースも稼働させたいと考えています。さらに第三を建てるとすれば、別の土地にする可能性があります。
――第一、第二があるビンズオン省はホーチミンの北東にある。
加藤 第三を建てるとすれば、ホーチミンの南西あたりが有力候補になるでしょう。自社物件とは限らず、賃借を含めて第三冷凍冷蔵倉庫を検討します。
――ベトナムでは冷蔵倉庫需要が供給を上回っているのでは。
加藤 絶対数が少ないと思います。ベトナムで水産品等加工が増えています。輸出を支えるだけではなく、国内消費を支えるための冷蔵倉庫需要も高まっています。
――競合もでてくるはず。
加藤 現状のコンペティター(競合相手)は外資系冷蔵倉庫が大半です。当社は参入5年目で後発組。荷主はローカルが大半ですが、日本が取引先の荷主が多く、物流品質に対する要求は厳しいものがあります。物流品質をさらに高めニーズに応え続けます。
――赴任5年目になる。
加藤 物流企業に入って、まさか海外で働くことになるとは思いませんでした。ベトナムで貴重な経験をさせてもらっています。