この人に聞きたい:第691回
(週刊冷食タイムス:19/06/18号)
企画で売場に変化つける
(株)日本アクセス フローズン食品MD部長 渕之上 明生氏
(ふちのうえ・あきお)転職で雪印物産(現日本アクセス)に1987年入社。静岡支店で洋日配の営業を約3年、冷凍食品の営業を約24年担当。2017年静岡支店長、今年4月1日付で現職。1966年8月生まれ、52歳。静岡市出身。
冷食と生鮮を連動させる
4月1日付でフローズン食品MD部長に就任した渕之上明生氏。冷食営業24年の経験を生かし「売場に即した販促を展開する」。意気込みを聞いた。
――静岡で冷食の営業を長年担当してきた。印象的な思い出は。
渕之上 冷食担当になったのは大塚食品「マイクロマジックフライドポテト」発売直後の頃。この商品の反響が大きく、続けて日本リーバ「ABCポテト」、日本水産「大きな大きな焼きおにぎり」とヒット商品が登場し「冷凍食品ってこんなに売れるんだ」と実感したのが良い思い出です。冷食営業を約24年担当しました。
――嫌なこともあった?
渕之上 雪印乳業事件ですね。冷凍食品は事件に無関係にもかかわらず、返品の山。勉強になった苦い経験です。
――歴史的な出来事を現場で経験してきたわけだ。
渕之上 今や技術革新により、冷食がおいしくなり、購入するうしろめたさが消えたと言えるでしょう。かつてルート営業で回っていた頃、「忙しいから利用する」等々の言い訳をしながら冷食を購入する方がいました。
――前3月期の市販冷食売上げは前年並に留まった。
渕之上 市販冷食売上げの前期実績は0.0%増1159億円。昨年11月から販売不振が影響し、横ばいとなりました。ふるわなかった要因は消費者の冷食に対する飽きやヒット商品不在、売場が変わり映えしなくなったこと、まとめ買いが減ったことなどがあると考えています。
――テレビ番組「冷食総選挙」で決定した冷食ランキングを売場に貼り出すと活気がでたようだ。
渕之上 冷食総選挙の反響のすごさを私も感じました。当社のランキング企画「フローズン・アワード」をもっと広めたいとの意欲をかきたてられました。フローズン・アワードはほぼ全メーカーが参加し、最強の冷凍食品・アイスクリームを決定します。これまで6回実施し、今年で7回目。ランキング結果を生かし、売場に変化をつけ購入拡大につなげます。このほか様々な企画を立てます。
――売場をどう活性化する。
渕之上 冷食と生鮮の連動企画などにより、売場全体の活性化につなげます。スーパーの利用者は食卓をイメージして買い物をする方が多い。下処理済の冷食を活用し、省いた時間を生鮮の調理にあて、それを冷食と組み合わせると食卓に彩りが出ます。私自身、冷食をレンジアップする間にサラダを用意したりします。現在、単身赴任で、冷食はよく利用します。