この人に聞きたい:第695回
(週刊冷食タイムス:19/07/16号)
34歳の若さで社長に就任
アサヒ装設(株) 代表取締役社長 山本 康太氏
(やまもと・こうた)2008年入社。開発・技術部門に従事した後、開発から生産管理までを統括。18年専務取締役兼設計部長、19年6月代表取締役社長。1984年8月金沢市生まれ。東京理科大理工学部機械工学科卒、34歳。
機械メーカーの次代を担う
加熱調理機メーカーの3代目社長に6月就任した。先代の山本洋志会長がリーダーシップ型なら、山本新社長はマネジメント型。社員一人ひとりの力を引き上げて「会社の総合力を高めたい」と語る。
――就任から1カ月が過ぎた。
山本 大変なことやプレッシャーはありますが、やりがいを感じています。
――社長交代の打診はいつ頃?
山本 2年前、中小企業大学校(中小企業基盤整備機構)の経営後継者研修に10カ月通い、最終日に会長の前でプレゼンしました。会長には「30点」と言われましたが、及第点だったようで、社長交代の考えを聞かされました。
――学卒後すぐに入社。会社に入る意思はもともとあった?
山本 幼少の頃から父親の仕事を手伝いたいと考えており、大学は機械科に進みました。
――入社後は開発・技術部門に従事。どのような製品開発を?
山本 最初はフライヤーの開発に携わり、その後は製品全般の研究開発をマネジメントしてきました。会長の発案をスケッチに起こすところから始まり、設計部門に回して試作品の性能評価を行い、最終製品に仕上げます。当社のフライヤーは油の持ちがいいことが大きな特長。きれいな油は品質向上に貢献します。この「おいしさ」に対するこだわりが強みです。
――海外進出にも積極的だ。
山本 これまでタイが中心でしたが、現在はベトナムやマレーシア市場の取り込みも図っています。アセアンへのアプローチは今後も継続します。
――国内はどうか?
山本 少子化による人口減少は進んでいますが、我々が攻め切れていないだけで深掘りできる余地はあります。海外事業を強化するためにも、国内の地盤をさらに固めていきたい。
――フライヤーは競合他社が増えているが。
山本 先発メーカーとしての優位性はありますが、さらにワンランク上の製品開発を進める必要があります。それと「洗浄性」です。機械の洗浄は作業負担が大きく、困っている企業は多い。本気で取り組んでいきます。
――会社がもう一段成長する条件は?
山本 これまでは会長が一人で会社をけん引してきました。私は社員教育に力を入れ、自分も含め全社員が多角的な視点や知識を持てるようにしたい。社員一人ひとりが「多能力」をつけることで会社の総合力を高めることをめざします。