この人に聞きたい:第707回
(週刊冷食タイムス:19/10/15号)
リクエの生鮮品扱いを強化
三菱食品(株) フードサービス本部長 佐藤 達也氏
(さとう・たつや)2005年アールワイフードサービスリクエ事業部リクエ営業部長、12年三菱食品経営企画部等を経て、2017年4月から現職。1965年10月11日生まれ、54歳。趣味はゴルフ。
不定貫商品のデジタル化に挑戦
本紙前号(第2209号)に続き三菱食品の佐藤達也フードサービス本部長に、拡大を続けるリクエ事業の現況を聞いた。
――リクエ事業(業務用食材・資材配達サービス)の近況から。
佐藤 高級イタリアン食材を中心とした専門カタログを4月に、酒類カタログを5月に発行し、品揃えのフルライン化をさらに進めている。今後も未染手領域へのアプローチを強化し、ワンストップ供給体制の充実を図る。特に生鮮品の取り扱いは強化する。
また単に品揃えするだけではなく、不定貫商品の完全デジタル化に挑戦する。不定貫商品はデジタル化に馴染まないと敬遠されてきたが、最新の仕分けシステムの導入により、道は拓けると考えている。
――精肉や水産品は規格が異なる不定貫商品だけに、運用が複雑では?
佐藤 単価を手入力せずに基幹システムに取り込むイメージ。入荷時も出荷時も手入力しない。これは市場でも取り組んでいない新しい考え方。今後は加工食品、酒類、生鮮野菜を自在に扱えるハイブリッド卸でなければ生き延びられないと考えており、品揃えの強化とバックヤード(オフィス)オペレーションのデジタル化を同時に進め、このノウハウを友邦卸の皆様へ開示していく。
――リクエ事業の拡大に伴い昨年9月、千葉県浦安市に第二センターを開設している。
浦安の第二センターにボイスピッキング導入
佐藤 今年4月までに千葉県船橋市の第一センターから随時、顧客移管を進めてきたことで第二センターはフル稼働状態。第一が伝統的なピッキングリストを見ながらの仕分けなのに対し、第二はボイスピッキングシステムの導入で仕分けスピードが速く、生産性が高い。立体自動倉庫やローラー仕分けなど高額マテハン機器を導入するのではなく、ソフトに投資することで、事業の柔軟性を担保する戦略。これによりヒューマンエラーが減り、作業を正確に進めることができるようになった。
――消費増税絡みのトピックは何かあったか。また東京2020の物流対応は進んでいる?
佐藤 独自調査ではポイント還元対策をとった店舗は約10%に過ぎなかった。東京2020の物流対策は大手外食や給食業者では個別に進んでいるようだが、我々としては深夜納品なども含めて顧客のリクエストに応えていく事になる。