この人に聞きたい:第719回
(週刊冷食タイムス:20/01/14号)
四国は対策で減収でも増益に
旭食品(株) 代表取締役副社長 竹内 紘之氏
(たけうち・ひろゆき)昨年4月代表権を持つ副社長に就き旭食品の次世代を担う。主に生産と関西をけん引する。平成18年入社、24年高知支店長、26年取締役。大阪産業大学経営学部卒、昭和52年5月生まれ、42歳。
来期最大の課題は物流改革
今期は11月まで売上げが前年比3.1%増と計画を0.1%上回るが、物流費の高騰は予想以上。「物流改革が来期最大の課題」と語る。
――今期の利益面は?
竹内 経常利益は予算を上回っているものの、販売管理費の増加により前年比では下回っています。メーカーの値上げの時に卸もそのタイミングで粗利が少し上がると考えていましたが、思ったほどではありませんでした。特に近畿は利益が計画に達していません。
――その原因は?
竹内 近畿は前年が良かった反動もあります。また、当社の売上げを見ると上位100社が伸びていて、それ以下のところは減少しています。特に近畿は中小の顧客で稼いでいたので、そこが落ちると厳しいのです。逆に四国は売上げが1.5%落ちましたが、過疎化に対して4〜5年前から対策していたので利益がとれています。
――減収でも対策さえしっかりすれば増益にできる。
竹内 11月までの地域別売上げは四国だけが1.5%減と前年を下回りました。九州2.8%増、近畿1.3%増、中京5.3%増、関東10.9%増でした。関東は子会社の売上げを含めた計画で今期1000億円を超えます。
――今期計画は売上げ4700億円、経常利益20億円だが、達成の見通しは?
竹内 売上げは達成するでしょう。利益についてはまだわかりません。
――販管費の増加要因は?
竹内 ほぼ物流費の高騰によるものです。そこで、来春は「ロジスティクス本部」(仮称)を立ち上げます。既存の物流企画部・物流推進部は経営企画本部の中にありますが、ロジスティクス本部は独立部署にしてAIを使った改革などを同本部が主導で推進することになります。得意先が多い当社は小規模の顧客が多く、それらの対応は物流推進部が担当しますが、投資案件や共同配送など、経営判断が必要なことは新本部が検討することになります。春にはメーカーとの共同配送を発表できるでしょう。新物流会社の設立も考えています。物流改革が来期最大の課題になります。
――センターも計画している。
竹内 今春、神奈川県座間市に新低温センターが稼働を開始します。来期は大阪の茨木市に常温センターが稼働する予定です。いずれも賃貸です。
――今期の冷食の状況は?
竹内 11月まで市販用が7.1%増、業務用は3.3%減でした。