この人に聞きたい:第740回
(週刊冷食タイムス:20/06/16号)
凍結分野で日本一をめざす
タカハシガリレイ(株) 代表取締役社長 鳴田 友和氏
(なるた・ともかず)1995年大阪工業大学工学部卒業、福島工業(現フクシマガリレイ)入社、13年エンジニアリング事業部部長、14年から髙橋工業取締役を兼任。16年6月代表取締役社長に。1973年2月24日生まれ、滋賀県出身、47歳。
スパイラルに本格参入
トンネルフリ―ザ―のタカハシガリレイ(旧髙橋工業)は昨年秋に社名を変更し、親会社のフクシマガリレイと共に多機能な設備を完備した新本社に移転し、新たなスタ―トを切った。
――新本社にはオ―プンイノベ―ション空間を謳う「ミラボ」を開設した。フリ―ザ―の実機6基を設置してユ―ザ―と共に開発・研究を行えるが、新型コロナで利用中止となっていた。6月から再開したが、手ごたえは?
鳴田 当初、ミラボの予約は1カ月待ちでしたが、それが一気に閉鎖となりました。当社の顧客はテストしてから購入を決めるパタ―ンが多いので、納品予定が下期になったり無期延期になったりと大変でした。ただ、当社もユ―ザ―側も、しばらく様子見の期間ができたという点では良かった。
――先が見えない状況だった。
鳴田 (投資案件が)なくなる話ばかりでしたが、5月末になって新しい投資の話が出始めてきた。コロナで厳しい業種もありますが、冷凍食品、宅配弁当は順調に伸びています。これらがようやく投資の話として出てきました。
――とはいえ空白期間があった。
鳴田 4~6月の営業が下期の数字を作るので決して良くはないのですが、後半に追い上げるという意味では昨年と同じパタ―ンです。全ての得意先が3カ月遅れた分を取り戻すような感じで一気に話を進めてくれるとありがたい。しかし、1年ほど様子見をしようということになると、当社も今年はぐっと我慢です。割り切って来年に向けてできることを仕込んでいこうという思いもあります。
――仕込みというと?
鳴田 トンネルフリ―ザ―はもちろん柱事業ですが、それだけでは売上げの山は作れても谷の形が良くない。そこで、事業範囲を広げます。親会社の得意先にしても、外食向けはコロナでダウンしましたが、ス―パ―は好調です。食の事業範囲は広い。良い部分もそうでない分もあるからこういうしんどい状況でも耐えられるのです。
――どのような分野に広げる?
鳴田 アルコ―ル凍結機を復活させました。以前手掛けていた「Lショック」です。さらにスパイラルフリ―ザ―も本格参入します。
――スパイラルフリ―ザ―を内製化すると。
鳴田 トンネルフリ―ザ―のトップメ―カ―ではなく、「凍結分野で日本一」と言われるようになるのが目標です。スパイラルに関しては数年先を見据えて取り組みます。フクシマグル―プの力も加え「箱」そのものを受注するエンジニアリング企業にしたいです。